導入事例

スルガ銀行株式会社

事業内容

銀行業務
本店ほか支店等における、預金業務、貸出業務、内国為替業務、証券・投資信託・保険等の窓口販売業務等

ホットライン利用対象人数

3,800人

通報制度の再構築を経て、社員が安心して声を上げられる環境づくりが進みました

2018年の一連の事案を契機に、コンプライアンス体制の抜本的な見直しを進めてきたスルガ銀行。内部通報制度についてもゼロから再構築を進める中で、同社が重視したのは「社員が安心して声を上げられる環境」をいかに整備するかという点でした。
社内窓口だけではカバーしきれない課題に対し、外部窓口をどのように位置付け、制度の信頼性を高めていったのか。運用の実態と変化について詳しく伺いました。

通報することが特別ではない、安心して声を上げられる組織文化を築いていきたいと考えています

コンプライアンス統括部内部通報等対応室 室長 社会保険労務士 向山勝浩(写真中央)様

コンプライアンス統括部内部通報等対応室 マネージャー 磯邉慶子(写真右)様

コンプライアンス統括部内部通報等対応室 調査役 三枝一人(写真左)様

まず、貴社のコンプライアンス体制についてお教えください。

2018年に起きたコンプライアンス上の問題を受けて、当社では体制そのものを抜本的に見直す必要があると考えました。見直す前は、ハラスメントは人事部門、不正やコンプライアンス違反は別部門といったように対応が分かれており、問題の背景にあるリスクを横断的に把握できない状態でした。実際には、ハラスメントの裏にコンプライアンス違反が潜んでいるケースも多く、個別最適の対応では十分ではないという課題がありました。

こうした背景を踏まえ、新たにコンプライアンス統括部を設置し、その中に内部通報等対応室を立ち上げました。現在は、ハラスメントとコンプライアンス違反を一元的に管理し、通報の受付から調査、改善、再発防止までを一貫して担う体制へと再構築しています。内部通報制度についても、単なる通報窓口としてではなく、組織改善につなげていくための仕組みとして位置づけています。

貴社における労働環境やコンプライアンス体制(ハラスメント防止体制)について、どのような課題を感じていましたか。

制度設計の中で浮き彫りになったのが、社内窓口だけでは対応しきれない課題でした。まず大きかったのが時間の制約です。社内窓口は平日日中の対応が中心となり、退勤後や休日に相談したい場合には対応が難しくなります。また、担当者も専任ではなく他業務を兼務しているため、十分な対応時間を確保することが難しいという課題がありました。

さらに、心理的なハードルも無視できません。「顔が分かっている相手には、どうしても話しづらい内容がある」という背景から、「自宅に帰ってから相談したい」「まずは匿名で話したい」といったニーズが存在していました。これらに応えるため、外部窓口の導入を検討することになりました。

ダイヤル・サービスを選定された経緯をお教えください。

きっかけは、内部通報制度に精通した弁護士さんからの紹介でした。その上で検討にあたって重視したのは、外部窓口として「社員が安心して利用できるかどうか」という点です。実際に検討を進める中では、導入実績や利用企業の規模感、第三者としての客観性、情報管理の信頼性などの面からも安心できると感じました。

社員がダイヤル・サービスの通報窓口を利用しやすくするために工夫したことはありますか。

まずは、通報制度を「身近なもの」として認識してもらうことが重要だと考えています。その一環として、制度の名称についても従来の呼称をそのまま使うのではなく、社員から公募を行い、その中から「希望のほっとライン」という名称を決定しました。社員自身が関わって決めた名称にすることで、より親しみやすく、利用しやすいものにしていく狙いがあります。

あわせて、制度の認知を高めることが重要だと考え、ガイドブックへの掲載やポスターの掲示などを行っています。親しみやすさを意識してキャラクターを作成し、動画やテーマソングなども活用しながら周知を進めています。こうした取り組みによって、社員が気軽に相談しやすい環境づくりを意識しています。

外部窓口を導入してからどのような変化がありましたか。

導入当初は、外部窓口の利用が多くを占めていました。過去の経緯から社内窓口に対する信頼が十分ではなかったため、まずは外部窓口に相談するという傾向が強かったのだと思います。その意味では、制度の信頼が十分でない過渡期において、外部窓口が非常に大きな役割を果たしてくれました。その後、社内窓口の運用改善や体制整備を進める中で、徐々に社内窓口の利用も増え、現在では社内外の窓口がバランスよく機能する状態になっています。

また、長時間にわたる相談対応を外部窓口に任せられるようになったことで、結果的に担当者が対応すべき案件に集中できるようになった点も、大きな変化の一つだと感じています。

”制度の信頼が十分でない過渡期において、外部窓口が非常に大きな役割を果たしてくれました。”

向山勝浩様

ダイヤル・サービスのホットラインのどういった点をご評価いただいたのでしょうか。

特に大きいのは、しっかりと話を聞いていただける点です。中には3時間から4時間にわたって相談されるケースもありますが、社内ではそこまでの時間を確保することは難しいのが実情です。そのような長時間の相談にも丁寧に対応していただける点は非常にありがたいと感じています。

また、すべての相談が企業として対応を必要とするものではありません。話を聞いてもらうことで気持ちが整理され、それだけで解決するケースもあります。社内窓口だけでは、ここまでうまく機能したかは分からないと感じています。

銀行という特性上必要と考えている社員向けのケアと、ダイヤル・サービスの制度はマッチしていますでしょうか。

銀行という業種の特性上、社員は高い倫理観と責任感を求められる一方で、業務面だけでなくプライベートも含めてさまざまな悩みを抱えるケースがあります。特に、金融機関に勤務している以上、借金や家庭の問題などは周囲に相談しづらく、結果として一人で抱え込んでしまうことが大きなリスクにつながる可能性もあります。

そのような中で、社内の窓口に加えて、匿名性や中立性が担保された外部の相談窓口を設けることは、社員にとって非常に重要だと考えています。ダイヤル・サービスの制度は、業務上の相談に限らず、プライベートな悩みも含めて幅広く受け止めていただける点で、まさに当社が必要としていた機能と合致していると感じています。

「こんなことを相談していいのだろうか」と迷うような内容でも、まずは気軽に話せる環境があることで、問題が深刻化する前にケアにつなげることができます。銀行として求められる健全性を維持するためにも、このような仕組みは非常に意義のあるものだと考えています。

印象に残っている通報・相談はありますでしょうか。

運用を通じて見えてきたのは、「話を聞いてもらうこと自体に価値がある」という点です。実際の相談の中には、企業として具体的な対応を必要としないケースも少なくありません。それでも、長時間話を聞いてもらうことで気持ちが整理され、結果として問題が解消するケースもあります。

2026年12月に改正公益通報者保護法が施行されます。こういった動きから貴社が認識されていることや、社員を守る取り組みとして注力したい部分は何でしょうか。

今後の課題は、通報制度に対する信頼をさらに高めていくことだと考えています。特に「通報しても意味がない」といった認識が広がってしまうと、制度の利用が進まなくなってしまいます。そのため、通報後の対応や結果に対する納得感を高めることが重要です。通報することは特別なことではなく、当たり前の行動として定着させていきたいと考えています。

最後に導入を検討中の企業へメッセージをお願いします。

外部窓口は、社員と企業の双方にとって安心につながる仕組みだと思います。特に専任の担当者を十分に配置することが難しい企業の場合、外部窓口を活用することで、時間や場所の制約を受けずに相談できる環境を整えることができます。また、顔が分かる関係性がある組織ほど、外部窓口の重要性は高いと感じています。安心して声を上げられる環境づくりの一つとして、ぜひ検討していただきたいです。

※こころと暮らしのほっとラインについての導入事例はこちらから
https://www.dsn.co.jp/example/surugabank-eap/

相談員のご紹介

ダイヤル・サービスには資格を所有した約300人の相談員が在籍しています。