導入事例

神奈川中央交通株式会社

事業内容

旅客自動車事業、不動産事業、ホテル事業

ホットライン利用対象人数

10,050名

通報対応は会社の姿勢そのもの。約1万人の声を受け止める仕組みづくり

神奈川県を中心にバス事業を展開し、地域の暮らしを支える神奈川中央交通株式会社。グループ会社を含め約1万人の従業員を抱える同社では、コンプライアンス推進の一環として内部通報制度を運用してきました。

しかし、組織規模が大きく、現場から本社まで階層が多い環境においては、従業員の声を十分に拾いきれないという課題もありました。また、公益通報者保護法改正への対応を見据え、通報しやすい環境づくりを進める必要性も感じていたといいます。

そこで同社はダイヤル・サービスの外部通報窓口を導入。今回は、導入の背景や運用の工夫、導入後の変化について、監査室の齋藤様にお話を伺いました。

制度を整えるだけでなく、従業員の声を聞く姿勢を大切にしています。

監査室長 齋藤慎様

外部通報窓口を導入された背景にはどのような課題がありましたか。

当社では以前からコンプライアンスホットライン制度を設けており、内部通報窓口については監査室が担当し、外部窓口は顧問弁護士にお願いしていました。ただ、実際には顧問弁護士窓口への通報はほとんどありませんでした。見ず知らずの弁護士へ直接連絡することに心理的なハードルを感じる方もいたと思いますし、顧問弁護士は会社を支える立場という印象もありますので、本当に客観的・独立的な立場なのかという点を気にする方もいたのではないかと考えていました。

また、当社の内部窓口は兼務体制で運営しており、録音設備も整備していなかったため、電話による通報受付ができず、連絡手段はメールが中心でした。そうした点も課題として認識していました。

ちょうど公益通報者保護法改正への対応も求められていた時期だったことから、外部窓口の見直しを進め、ダイヤル・サービスの外部窓口の導入を決めました。

従業員の皆さまに窓口を利用していただくために、どのような工夫をしていますか。

最初はどこまで周知するのがよいのか手探りでした。従来からポスターは作成していましたが、より親しみやすく、分かりやすいデザインに変更しました。対象はグループ会社を含む約1万人です。

グループ会社については、当社が作成したポスターを活用してもらうとともに、それぞれの会社の文化や運営実態に合わせて周知方法を任せています。実際に、従業員一人ひとりへQRコードを配布して周知した会社もありました。

各社がそれぞれ工夫しながら制度を浸透させてくれたことで、グループ全体に情報が行き渡っていっているのではないかと思います。

導入後、どのような変化がありましたか。

外部窓口を設置すれば通報件数は増えるだろうと思っていましたが、どの程度増えるのかは正直心配していました。当社の担当者は兼務を含め3名体制ですので、対応しきれるかという不安もありました。実際には、外部窓口だけでなく内部窓口への通報も増えました。制度導入をしっかり周知したことで、「通報してもいいんだ」という認識が従業員の間に広がったのではないかと感じています。

特に大きかったのは、現場で働く従業員の声を拾えるようになったことです。当社やグループ会社には、現場担当者、その上司、管理職、本社担当者など複数の階層があり、組織が大きくなるほど、現場で働く方々の声は本社まで届きにくくなります。外部窓口を通じて、これまで見えにくかった現場の声を把握できるようになったことは非常に意義がありました。

以前は、不満や悩みを抱えたまま退職してしまった方もいたのではないかと思います。そうした声を拾い上げることで、単に問題を把握するだけでなく、誤解やコミュニケーション不足が原因だったケースを解消できるようになったことも大きな成果だと感じています。

"外部窓口を通じて、これまで見えにくかった現場の声を把握できるようになったことは非常に意義がありました"

齋藤慎様

ダイヤル・サービスの対応について、どのように評価されていますか。

報告書を拝見すると、オペレーターの方が非常に長時間にわたって丁寧に話を聞いてくださっていることが分かります。相談者の話を繰り返し確認しながら整理し、それを分かりやすい報告書にまとめていただいています。なかには、最初は感情的になっていた相談者の方が話していくうちに落ち着き、論点が整理されていく様子も伝わってきます。そうしたプロセスまで含めて丁寧に対応していただいていると感じています。

私たちはその報告書を基にヒアリングや調査を行いますが、ご本人に確認しても内容が違っていたということはこれまで一度もありません。ほぼ報告書をなぞる形で事実確認ができています。そのため、担当者として次の対応へスムーズに移ることができています。ダイヤル・サービスには企業と相談者の間に立つ、非常に良いクッションの役割を果たしていただいていると思います。導入以降、通報件数は増えましたが、外部窓口への通報は初動をしっかりとやっていただいているため、結果的に我々の負担も軽減されています。

通報対応において大切にされている考え方を教えてください。

私たちは、内部通報制度を通報者の要望をそのまま実現するための仕組みだとは考えていません。通報者の方には必ず、「私たちは皆さんが働きやすい職場になるためにこの仕事をしています」とお伝えしています。

ハラスメント案件などでは、相手への強い感情を持って相談されるケースもあります。しかし、私たちは個人間の対立を解決することだけを目的としているわけではありません。「あなたが働きやすい職場にするためにはどうしたらよいか、一緒に考えましょう」そういうスタンスで話を聞くようにしています。

通報対応というのは、会社が従業員の声をどれだけ聞く耳を持っているかという姿勢そのものだと思っています。だからこそ、一つひとつの案件に真摯に向き合い、納得してもらえる対話を積み重ねることを大切にしています。

外部窓口の導入を検討している企業へメッセージをお願いします。

ダイヤル・サービスには外部窓口としての初動対応をしっかり行っていただいています。従業員にとっては安心して相談できる場所になりますし、私たち担当者にとっても迅速に調査や対応へ移ることができます。

通報対応は外から成果が見えるものではありません。むしろ、問題や不満が大きくならず、従業員が自分の声を聞いてもらえたと感じられることが大切だと思っています。そうした積み重ねが、結果として企業に対する信頼につながっていくのではないでしょうか。

相談員のご紹介

ダイヤル・サービスには資格を所有した約300人の相談員が在籍しています。