導入事例

株式会社IHI

事業内容

資源・エネルギー、社会インフラ、産業機械、航空・宇宙の事業分野を中心とした総合重工

導入サービス

企業倫理ホットライン
2006年3月~

ホットライン利用対象人数

約29,000名

ホットライン窓口を社外に設置する妥当性と 完成されたインフラを利用できる合理性に 価値を感じます

日本を代表する総合重工業グループのグローバルブランド、IHI。同グループは、ある独禁法違反事件を機に2006年3月、ダイヤル・サービスの「企業倫理ホットライン」を導入し、2021年3月末時点で連結子会社151社・約2万9000名の従業員を対象としたコンプライアンス対策に活用しています。その経緯と導入の意義などについて、法務部コンプライアンスグループ長の樽谷昌樹様にお話しを伺いました。

通報の一次対応窓口としてのダイヤル・サービスの対応力に期待

法務部 コンプライアンスグループ長 樽谷昌樹様

IHIにおけるコンプライアンス体制と基本的な考え方についてお教えください。

まず、IHIグループでは「IHIグループコンプライアンス基本規程」などを制定しています。そして、当グループにおけるコンプライアンスの定義は、次のように定めています。
・法令や社内規程などのルールを大切にし、守ること
・企業人として公正で、かつ責任ある行動をとること
 法令を守ることはもちろん、人としても公正であれとしている点が特徴的かと思います。

運営体制としては、コンプライアンス担当役員を委員長、各部門のコンプライアンス実施推進責任者を委員とするコンプライアンス委員会を設置し、年4~5回程度、活動方針の審議や活動内容および問題点の共有、改善策の検討などを行っています。
従業員への教育・浸透策としては、「品質・コンプライアンス研修」「ライン管理者向け研修」「e-ラーニング」の実施などが挙げられます。
こうした基盤の上に、コンプライアンス通報窓口の「コンプライアンス・ホットライン」を設置して運営しています。

そういった体制をつくられた経緯とは、どういったことでしたか?

2000年代に入ったころ、企業におけるコンプライアンスの重要性が世の中で語られるようになってきました。当社では総務部内にコンプライアンス対応チームを設け、それとともに、ウェブとFaxによる内部通報制度を設置しました。ウェブは1日でログが消え、発信者が特定できないよう匿名性に配慮したものでしたが、通報は2カ月に1本といったペースでしたね。
しかし、2004年に当社も加わっていた独禁法違反事件が発覚しました。これを機に、コンプライアンス体制を根本的に見直し、専門組織に改めるとともに内部通報制度の窓口も社外に変更してより機能させることを目指しました。

その「コンプライアンス・ホットライン」として、ダイヤル・サービスの「企業倫理ホットライン」を採用された理由をお聞かせください。

社外に窓口を設置する選択肢としては、顧問弁護士事務所に依頼することも挙げられましたが、社内の延長でこれまでと変わらないのではないかとの意見があり、外部の専門事業者に依頼することにしました。複数の事業者を比較検討した結果、大手企業の導入実績が決め手となってダイヤル・サービスを選定させていただきました。

ホットラインの利用状況はいかがでしょうか?

ホットラインの存在は、イントラネットやポスターで告知するとともに、IDカードと同サイズのカードを全従業員に配布して周知を図っています。
ここ4~5年の通報・相談件数は、ほぼ横ばいです。内容としては、パワーハラスメントに関するものが50%ほどで、それ以外の人間関係に関することを合わせて70%ほどを占めています。残りの30%にはサービス残業や有休が取得できないといった労務関係が多いですね。

通報にはどのように対応しているのでしょうか?

通報者が実名の場合は、本人の所属する部門のコンプライアンス担当者が直接アクセスし、適切に対処しています。通報者が匿名で通報された相手が実名の場合は、その相手にアクセスします。
対処は非常に難しい仕事ですから、アクセスする担当者はダイヤル・サービスのコンプライアンス担当者養成研修を受講した者に限定しています。研修受講を資格制度のように運営しており、新任者は必ず受講してもらっています。
匿名の場合は、通報内容を事実と捉え、労務問題の場合は人事、その他コンプライアンスに関するものはコンプライアンス委員会などを通じて各事業部と共有の上、調査を要請しています。

「企業倫理ホットライン」導入後、改善されたことは何かありますか?

2019年2月に、品質に関わる不正が発覚しました。即座に品質強化研修が行われましたが、その際に「社内に相談できないことでも、ホットラインに必ず通報してほしい」と要請しました。先ほど、通報や相談の内容は人間関係や労務問題が占めると言いましたが、それ以降は品質管理に関する声も上がるようになりました。

“通報者の話が要領を得なかったり、非常に長いものであっても、
要旨をコンパクトに整理して
報告していただけるのはありがたいですね”
樽谷昌樹様

ダイヤル・サービスの運営内容は、どう評価していただいているでしょうか?

通報者の話は、要領を得なかったり、非常に長いものであったりする場合があると思います。そういったものであっても、要旨をコンパクトに整理してわかりやすく報告していただけるのはありがたいですね。
また、ダイヤル・サービスさんには、匿名通報者に対して「名乗ってもご本人に決して不利益を及ぼすことはないから安心して話してほしい」と会社が言っている旨を伝えていただき、できるだけ具体的な内容を話してもらえるよう説得を試みていただいています。特に、問題の所在を匂わすだけで通話を切ってしまうような通報者は、その後社外に公表してしまうといった行動を取るリスクがあります。その前に社内で適切な対処を行うためにも、一次対応窓口となるダイヤル・サービスさんの対応力に期待しているところです。

最後に、「企業倫理ホットライン」導入のメリットをお教えください。

通報窓口を社内に置くとすれば、秘匿性を確保する上で内線電話や一般的なメールを用いるわけにはいかず、専用回線や専門人材を設ける必要があります。秘匿性に万全を期したとしても、通報先が社内というだけで社員に通報をためらわせる場合が多いでしょう。
一方、ダイヤル・サービスさんのような専門会社に窓口業務を依頼すれば、ホットラインとして完成されたインフラを活用でき、かつ社外に置かれていることで社員が安心して通報できる合理性があると思います。しかも、休日であっても電話対応してもらえる体制があり、ウェブの場合は24時間365日通報可能です。そこにもメリットを感じています。

(内容は2021年7月現在)