Vol.89 食と健康

お弁当レッスン

 「コロナ禍が健康を見直すきっかけになりました。昼食をコンビニ弁当から手作り弁当にしていますが、栄養バランスが気になっています」「家族にお弁当を持たせても、ごはんにおかずの汁が染み込んでいたとか、ワンパターンと言われて落ち込みます」「ニンジン、トマト、梅干しが嫌いな子で、お弁当に入れる赤いものがなくて困っています」などの相談が管理栄養士の窓口には寄せられます。
 健康志向の高まりから、手作りの弁当派が増えています。無理なく、おいしく作るお弁当のコツ、紹介します。

「3・1・2」でバランスOK!

 お弁当も大事な1食です。満足でき、健康にも配慮するためには「主食3、主菜1、副菜2」と覚えてください。難しく考えなくても簡単に覚えるコツがあります。お弁当箱のスペースを6等分し、そのうちの3つをごはん、1つをメインになる肉や魚のおかず、2つを野菜中心のおかずを詰めます。この「3・1・2」を実践することで、栄養バランスが整います。

「あま・から・すっぱ」で脱マンネリ

 お弁当は、ごはんが進むように塩気のあるおかずが多くなりがちです。おかずは「あま(甘味)・から(塩味・辛味)・すっぱ(酸味)」が入ると飽きにくく、味にメリハリがつきます。砂糖やみりんを使った甘いおかず、酢やレモンを使った酸味のあるおかず、ほかにも、みそ味やピリ辛のおかずが入るとマンネリループから抜け出せます。

「赤・黄・緑」で食欲アップ

 彩りは「赤・黄・緑」の色が入っているかを見ます。例えば、赤色はニンジンやトマト以外に、パプリカや紫キャベツ、ケチャップ味や鮭、タラコのピンク色も彩りになります。黄色は卵やカボチャ、コーン、カレー味など。緑色は定番のホウレンソウやブロッコリーのほかにも冷凍の枝豆やインゲンをストックしておくと忙しい朝に重宝します。これらの食材や調味料で3色がそろうと、ワンランクアップのお弁当に仕上がります。

ちょっとしたコツでお悩み解消

 お浸しや煮物から出る汁気は、お弁当を傷める原因にもなるので、できるだけ減らします。お浸しは、硬めにゆで、しっかり絞る、また、とろろ昆布や削り節、すりごまなどをまぶして汁気を吸わせるのもよいでしょう。煮物の汁気は、しっかり煮詰める、卵やかたくり粉でとじるなどの工夫をすると、汁が漏れにくいお弁当になります。ほかにも、冷めた時に最も気になるのが、肉の脂です。脂は冷めると白く固まり、味を悪くします。できるだけ脂身の少ない肉を選んでください。炒め油には、冷めても固まらず、風味が残るごま油がお勧めです。

 お弁当作りを続けるには、気張らず楽な気持ちで作ることも大切なコツです。少しずつ慣れていき、生活のリズムにしていけるとよいですね。