Vol.205 ハラスメント

退職代行サービス利用者増加の背景にあるもの

ゴールデンウィークが明けた頃、4月に入社したばかりの新入社員の女性から、ダイヤル・サービスの「ハラスメント・人間関係ホットライン」に相談が入りました。

 相談の概要としては

・入社してすぐに先輩社員Xから、あだ名を付けられた。「やめてください」と言ったにもかかわらず、その後もずっとそのあだ名で呼ばれている。あだ名で呼ぶのは社会人としてどうなのだろうか。

・飲み会では酒に酔ったXから「飲め」と言われて、大ジョッキを渡された。「お酒に弱いので飲めません」と断ったところ、「(酒を)渡されて返すヤツがあるか」と言って、背中を叩かれた。

・何よりショックだったのは、周囲にいてその様子を見ていた職場の先輩たちや責任者が笑っていたことである。誰もXのことを止めようとはしなかった。入社してまだ1か月なので異動も難しいだろう。自分が誰かに相談することで雰囲気が悪くなるのも嫌である。職場の雰囲気も合わないので辞めようかなと思っている。

 誰にも相談できずにいたこの方は、職場に掲示されたホットラインのポスターを見て電話をしたとのことでした。最初は匿名での相談で、会社への報告は希望していませんでした。ですが、話しているうちに、具体的な解決のために実名で報告することを決意し、会社の担当者と直接話すことを希望しました。

 昨今、退職代行サービスを利用した辞め方が何かと話題になっています。退職代行を利用する方は、この新入社員の女性のように様々な思いを抱えた末、そこにたどり着いてしまったのかもしれない、と思いました。

 新社会人となった若い世代を受け入れる多くの先輩、上司の皆様には、新入社員が安心して働き続けることができるような配慮や心遣い、話を聴いてあげられる雰囲気があることが大切です。ですが、だれもが困ったとき、不安なとき、迷ったときに相談できる窓口機能が十分に周知され、利用されることで、退職代行サービスを利用する選択に至る前に、社内の対応につなげられるのではないかと思った相談事例でした。

※本コラムの事例は、実際のケースをもとに、複数の事例を組み合わせるなどのアレンジを施したものです。

ハラスメント・人間関係ホットライン

パワハラ・セクハラなど各種ハラスメントの相談全般に対応する外部相談窓口