Vol.203 メンタルヘルス

自分の内なる声との付き合い方 ~5つの行動ドライバーとは~

 ある上司はこう言います。「人生、立ち止まったら負けだ。とにかく頑張れ」この上司は仕事ができる人ですが、いつも「頑張れ!」と言ってくるので、少し窮屈です。
 ある同僚はこう言います。「私はみんなに喜んでもらいたいんだ。みんなに気持ちよく過ごしてもらいたい」この同僚は配慮ができる人なので、一緒にいて心地よいです。しかし、期待に応えようとしすぎて、空回りすることがあります。

 人はだれでも、自分を突き動かす内なるメッセージを持っています。それは成長の中で身についた価値観であり、行動を支えるエンジンのようなものです。交流分析という心理学では、それらを“ドライバー”と呼び、次の5つの行動パターンに分類しています。適度なドライバーは、自分の能力を高める力になりますが、強すぎるとストッパー(行動の阻害要因)となり、思うような結果が出せなくなるのです。

完璧であれ

 完璧さは大切だが、強すぎると0か100かの白黒思考となり、80点を評価できない。緊張が高まり、かえってミスが増える。相手にも完璧さを求めて、負担をかけることもある。

他人を喜ばせろ

 相手への配慮は人間関係の基本だが、配慮するあまり、相手の感情を自分の責任のように感じて心苦しくなる。相手が喜んでくれないと自責の念にかられ、必要以上に消耗してしまう。

努力せよ

 成長に努力は欠かないが、努力するあまり、やらなくてもよい仕事まで抱えこみ、エネルギー不足になると、努力したくても動けなくなる。

強くあれ

 強さは頼もしさにつながるが、“強くなければ”という思いにとらわれると、弱音を吐けなくなる。無理な仕事にも「できない」と言えず突き進み、仕事が滞ることにも。自分を強く見せようと相手を責め、人間関係に支障が出る。

急げ

 どんな仕事もスピーディーにこなしたいものだが、スピードを重視しすぎると、「今・ここ」の瞬間に集中できなくなる。焦りの気持ちから些細なミスが多くなり、かえって時間を浪費する。

 上記の事例の上司は「努力せよ」、同僚は「他人を喜ばせろ」のドライバーが強そうですね。あなたはどのドライバーが強そうですか? 
 どのドライバーも強すぎると自分や他人を苦しめてしまいます。自分の思考パターン、行動パターンを認識し、ドライバーが強すぎると感じたら、頭の中でドライバーを緩める声かけをしてみてください。「ほどほどでいいんだよ」、「ベターくらいで大丈夫」、そんな声かけをするだけで緊張が緩み、普段の力を出しやすくなります。なにごともバランス感覚が大切です。

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