Vol.194 メンタルヘルス

仕事と介護を両立するために

 少子高齢化の影響で、高齢者(65歳以上)の割合は増加し続けています。2025年の総人口に高齢者が占める割合は29.4%と過去最高でした。2050年には65歳以上が37.1%、70歳以上が30.5%になると推測されています(※1)。約3人に1人が70歳以上になるわけです。

 家族の介護をする、あるいは自分が介護される立場になる、どちらにせよ介護はほぼすべての人が通る道であり、決して他人事ではありません。2022年の介護をする人の総数は628.8万人で、そのうち働いている人は364.6万人(58%)でした(※2)。介護をしながら働く人の数は年々増えています。労働力人口の減少、高齢者の増加により、今後も増え続けると予想されます。

 介護者の多くは50~60代前半です。職場で重要な役割を担っており、仕事を抜けられない人も多いでしょう。介護には経済的負担が伴います。経済的基盤安定のためにも、介護と仕事の両立は重要です。両立のために最も大切なのは情報です。2025年4月1日に施行された改正育児・介護休業法では、「介護に直面した労働者」に対し個別に以下①~③の事項を周知し、利用の意向を確認することを事業主に義務付けています。

①介護休業に関する制度、介護両立支援制度等
②介護休業・介護両立支援制度等の申し出先
③介護休業給付金に関すること

 また、「介護に直面する前の早い段階(40歳の誕生日前日が属する年度または40歳の誕生日から1年間)」に、①~③の情報提供を行うことも義務付けています。介護保険制度についても①~③の情報提供の際に周知することが望ましいとしています。介護はいつ始まるかわかりません。情報提供義務の対象以外の方(40歳未満など)も、積極的に介護関連制度の情報を得ておくことをお勧めします。

 そして、介護対象者(親、配偶者など)から情報(老後の生き方についての希望、健康状態、大切な書類の保管場所など)を得ておくことも大切です。介護に必要な情報については「親が元気なうちから把握しておくべきこと」チェックリスト(※3)を参考にしてください。

 介護が必要となったときには、介護対象者は話せない状態になっているかもしれません。まだ元気だから大丈夫と後回しにせずに、早めに話し合っておきましょう。

 介護は喪失に向けての作業です。心身共に疲弊し、哀しみ、怒りといったネガティブな感情が起こりやすくなります。仕事と両立するためには一人で抱え込まず、気持ちを話す、相談することが大切です。医療・介護の専門家から、家族、友人、仕事仲間、ご近所さんまで、複数の支援者を得て、コミュニケーションを取りながら介護を進めていきましょう。

関連リンク

※1 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで- 総務省2025.9.14

※2 令和4年就業構造基本調査 総務省

※3 介護支援プラン策定マニュアル 資料6「親が元気なうちから把握しておくべきこと」チェックリスト 厚生労働省

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