Vol.183 ハラスメント

その言い方、グレハラになっていませんか?

 皆さんは、人に対してこんな言い方が、口ぐせになっていませんか?

「何も難しいことは言っていないと思うんだけど…」
「普通に考えたら分かるでしょ」
「えっ、ここから説明しないといけないわけ」
「意見はいいから、とにかく言われたことだけやってよ」
「君の意見なんか誰も求めていないからさ」
「そんな仕事は派遣にでもやらせておけばいいじゃん」

 無意識に発せられたこれらの一言は、部下や周囲のメンバーのやる気を削いでいきます。そしてこれらの発言が日々繰り返されることにより、きっと周囲から距離を置かれることになるでしょう。
 「思っていることを口にして何が悪いの」と言いたくなるかもしれません。しかし思ったことをそのまま口にしてしまうことは本音(落胆、期待外れ、憤慨、呆れ、など)を知らず知らずのうちに相手に伝えてしまうことになります。

 最近、「グレーゾーンハラスメント」略して「グレハラ」という言葉が話題になっています。厚生労働省の定義を完全には満たさず、明確な就業規則違反とまでは言えないものの、相手に対して不快感やストレスなど心理的負担を与える言動を指します。
 言っている本人は「冗談のつもりだった」「良かれと思って」など悪意がない場合が多く、同じ発言でも受け手の置かれている状況やお互いの関係性によって受けとめ方が変わってきます。冒頭の口ぐせもグレハラに該当する可能性があります。

 ダイヤル・サービスが行った管理職向け研修で、グレハラと無意識の口ぐせについて解説したところ、受講者から、「これって思うのもダメなんですか?」と質問を受けました。
 管理職も人間です。部下が思ったとおりの役割を果たしてくれないとき、あまりにも期待外れだったときには、先程の一言をつぶやきたくなるでしょう。思うこと自体は悪いことではありません。相手に直接ぶつけてしまうことが問題なのです。そのようなときは、グッとこらえて、相手に対する期待や思いを伝えてみましょう。

「〇〇さんには期待しているんだ」
「これならできると思うよ」
「まずはチャレンジしてほしいな」

 このように言われるのと、先程の口ぐせをぶつけてしまうのでは部下や周囲の方々のモチベーションが違ってきます。ぜひ、参考にしてみてください。

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