Vol.124 食と健康

合わせみそを楽しもう

<Q>
 みそ汁のレシピを見ていたら「みそを数種類合わせるとよい」と書かれていました。お店には、いろいろな種類のみそが売られているので、どれを選ぼうかと迷ってしまいます。どのように合わせれば、おいしく作れるのでしょうか。

<A>
 みそにはそれぞれ特徴があり、ちょっとした合わせ方のコツを覚えておくと、みそを選びやすくなり、自分好みの「合わせみそ」を作れます。まずは、距離が遠い、気候風土が違う所で作られたみそを合わせる方法があります。昔から「みそは遠いものを合わせる」といわれ、色の濃淡や甘口・辛口など味わいの差が大きいと、お互いの風味を補い合うことができます。

 次に、原料の麹(こうじ)が異なるみそを合わせる方法です。みその種類は、原料の麹によって、米みそ、麦みそ、豆みそに分けられます。米みそは大豆に米麹を加えて作ったもので、全国各地で作られています。仙台みそや越後みそ、信州みそ、関西の白みそなどがあります。麦みそは大豆に麦麹を加えて作ったもので、四国や九州が主な産地になります。豆みそは大豆のみを原料とし、東海地方の八丁みそが有名です。

合わせ方の例としては
■産地が遠いものでは
 辛口の仙台みそと独特な芳香のある瀬戸内麦みそを合わせるとひと味違った味わいになります。
■麹の違いでは
 豆みその八丁みそをメインに、米みその白みそを少し加えて甘みを足すと、豆みその独特なクセが和らぎ食べやすくなります。
■同じ米みそでは
 淡色の信州みそに赤色系の越後みそや北海道みそもよく合います。

 そして、具材や季節により、みそを合わせる割合を変えてみましょう。より味わい深くなるはずです。野菜などあっさりとした具材のときや、暑い時期には、辛口の赤みそや渋みのある八丁みそを多めにすると、さらっとした汁になり、おいしく感じます。反対に、肉や魚などの具材を多く入れるときや、寒い時期には、甘口の白みその割合を多めにすると、コクのある汁で、冷めにくくおいしく感じます。

 さらに、異素材の組み合わせでは、みそにヨーグルトを加えてもうまみが増し、マイルドで減塩のみそ汁になります。いつもの汁に少し足してみて、好みの量を探してみましょう。このようにいくつかのコツはありますが、基本的には好みで選べばよいのです。あれこれ試して、その特徴をつかみ、自分好みの合わせみそを楽しんでくださいね。