Vol.106 食と健康

お月見とお団子

<Q>
 子どもが星や月に興味を持つようになりました。今年はぜひお月見をしたいと思っています。お月見のいわれや供え物の飾り方を教えてください。

<A>
 昔の中国では旧暦の7月を初秋、8月を中秋、9月を晩秋といい、それぞれの月の満月の夜に月見の宴を開いていました。なかでも中秋の8月15日の夜は、一年中で月が最も明るく美しいとされ、特別に「十五夜」と呼んでいました。

 日本では平安時代から貴族の間にこの風習が広まり、江戸時代には庶民の間にも定着しました。その頃のお月見は、秋の七草を飾り、お団子や里芋など季節の農作物を供えました。そこから、中秋の名月を「芋名月」ともいうようになりました。

 これに対して、旧暦9月13日頃の月を「十三夜」といい、ちょうど食べ頃の栗や枝豆を供えたことから、この月を「後の月」「名残りの月」「栗名月」「豆名月」などと呼びました。このようにお月見は秋の収穫祭の性格もあったわけです。また、お月見は十五夜と十三夜の両方を行なうのがしきたりで、片方だけ観賞するのは“片見月”といって避けたそうです。

 十五夜には、15個のお団子と、旬のさつま芋や里芋のきぬかつぎ、梨やぶどうなどを供え、すすきや秋の草花を飾ります。そして十三夜には13個のお団子に栗と枝豆を供えます。

 夜空に輝くお月様を見上げながらのひととき。お子さんにとってかけがえのない経験になることでしょう。

お月見団子の飾り方