Vol.105 食と健康

腸活できれいなお花畑に

<Q>
 便秘気味で、時々お腹が張りガスがよく出ます。腸活を始めて発酵食品のヨーグルトや納豆、キムチをたくさん食べ、野菜も増やしたりたりしていますが、あまり変化を感じません。お腹が張る原因になる食べ物はありますか。

<A>
 腸内環境を整えることが全身の健康や美容によいと、意識する方が増えています。ご存じのとおり腸活は大腸の環境を整える活動で、腸内細菌が働きやすい環境をつくることともいえます。大腸には数百種類、約100兆個の腸内細菌が住んでいます。たくさんの細菌が腸内で種類ごとに集団を形成しながら住み着いている様子が、お花畑のように見えたことから腸内フローラと呼ばれるようになりました。腸内細菌の中でもよい住人として知られているのが、乳酸菌やビフィズス菌です。

 腸内細菌は基本的に私たちが食べたものを餌に生息しています。よい腸内フローラにするには、乳酸菌やビフィズス菌が好むオリゴ糖や食物繊維を与えるような配慮も必要で、バランスが取れた腸内フローラは菌が多様です。多様な菌が居ればお互いに助け合え、よい結果が出せるようになります。

 お腹が張るとのことですが、これは一般的に腹部膨満感といわれ、お腹にガスがたまって苦しくなります。原因は、ストレスや食生活などが考えられます。脳腸相関という言葉があるとおり、脳と腸は互いに密接な関係にあります。例えば、ストレスは腸の動きや腸内細菌のバランスに大きく影響します。基本的な対策は、3食バランスよく食べ、十分な睡眠を取り、腸が動くように軽い運動をし、心身のストレスを軽減することです。

 食生活では腸活によかれと、納豆やヨーグルトなどの発酵食品を毎日食べたり、たくさん食べていると逆効果になることがあります。お腹の張りが続くときは、発酵食品の量や頻度を見直す必要があります。ほかに肉や牛乳などの動物性たんぱく質は極力控え、果物や海藻、オクラなどの水溶性食物繊維の摂取を心がけるのも大切です。

 お腹が張りやすくなる食品は、卵やイモ類、豆類、炭酸飲料などです。お腹が張る前日に何を食べたかを振り返り、該当する食品を食べている場合は、摂取量や頻度を控えるとよいでしょう。適切な腸活で健やかに過ごせるとよいですね。