Vol.95 食と健康

カフェインの影響

<Q>
 社会人になり、仕事にも慣れてきました。ただ、集中したいときや疲れたり、イライラするときにエナジードリンクを飲む機会が増えました。ほかにデスクワーク中にコーヒーやチョコレートを口にすることもあります。カフェインには依存性や中毒があると聞きました。この習慣を続けても心配ありませんか。

<A>
 カフェインは、エナジードリンクのほかに茶葉、コーヒーなどに含まれる成分で、苦みを持っています。脳や筋肉などを刺激して興奮状態を起こさせ、また、利尿作用があるほか強心剤としても利用されています。適量のカフェインは、頭の働きを活発にし、疲労を和らげ眠気を覚ましてくれます。

 カフェインの感受性は個人差が大きく、日本では安全な摂取量を数値では示していません。
欧州食品安全機関やカナダ保健省などを参考にすると、安全に毎日摂取できるカフェインの量は成人体重50kgの場合で400mg未満と提言しています。感受性の高い人や子ども、妊婦、授乳婦は特に注意が必要といわれています。

 ご質問のエナジードリンクや眠気覚まし用飲料には100mlあたり32~300mgのカフェインが含まれており、商品によって内容量やカフェイン濃度に差があります。また、レギュラーコーヒー1杯(200ml)に含まれるカフェイン量は120mgです。ミルクチョコレートは気にするほど含みませんが、ハイカカオチョコレートの場合はコーヒーと同じくらいのカフェインを含むものもあります。日常的にたくさんのカフェインを摂取していると、徐々にカフェイン依存に近づいていくことになります。そのうち耐性ができてしまい、常にカフェインを摂っていないと眠気や疲労を感じたり、集中できない状態が続くことになります。

 ほかにも市販されている飲料類や医薬品にもカフェインは含まれています。過剰摂取による健康被害を防ぐためにカフェイン量を表示する動きも出てきています。よく食べる商品の表示を確認して、一度に大量に摂取したり、組み合わせで過剰にならないように注意しましょう。

 カフェイン以外にも気分転換できる方法を見つけて、カフェインと上手に付き合えるとよいですね。