Vol.81 食と健康

箸(はし)のマナー・基本のキ

<Q>
 懐石料理に招待されたのですが、箸のマナーを知らないので不安です。これだけは知っておくべきという箸のマナーを教えてください。

<A>
 毎日使っているものだけに気が張る席でも、何気なく普段の習慣が出てしまうのではないかと緊張しますね。日本食では箸のマナーがたくさんあり、大切にされています。一般的なマナーを知っていると安心ですので紹介します。

 箸を持ったり置いたりする際は、片手ではなく両手を使うのがマナーです。

 ごはんや汁物など器を持って食べるときは、器を先に持ち、そのあと空いている手で箸を持ち上げ、茶碗を持っている方の指を添えて箸を持ち替えます。

 また、途中で箸を置くときにもマナーがあります。箸先をきちんと揃えて箸置きか、箸袋を使います。食べ終わったときは、そのまま箸置きに置いてよいですが、箸先の汚れが気になるときは、箸袋の中ほどまで入れたり、箸置き代わりの袋に挟んだりしてもかまいません。

 さらに、箸には不作法とされる使い方があります。これを「嫌い箸」といいます。思わずやってしまいがちなタブーを紹介します。

 ほかにも、箸で器を引き寄せる「寄せ箸」や、料理を箸で串刺しにする「刺し箸」、箸先で人や物を指す「指差し箸」、箸で器を叩く「叩き箸」、食事中に話しながら箸を振り上げる「振り上げ箸」などがあります。また、昔から「箸先五寸、長くて一寸」といわれ、箸先は1.5~3センチの所を使い、あまり汚さずに食べるとよいとされています。

 正しい箸使いは覚えてしまえば美しい所作が身に付きます。無理のない程度に気持ちよく食事をするためのマナーとして知っておきましょう。