Vol.69 食と健康

気を付けて!バーベキューでの食中毒

<Q>
 お肉を持ち込んでバーベキューを計画しています。ただ、まだ暑さも残っているので食中毒も心配です。皮なしのウインナーなら簡単と聞いたので、作ってみたいと思います。お肉や手作りウインナーなどで注意した方がよいこと、工夫できることを教えてください。

<A>
 バーベキューが楽しい思い出になるように、食中毒を起こさない配慮をすることは大切ですね。バーベキューの主役といえば肉ですが、食中毒に気を付けたい食材でもあります。肉を調理する際の衛生ポイントを紹介します。

 まず「よく焼く」こと。牛肉や豚肉などの腸内には、腸管出血性大腸菌やサルモネラのような病原性の細菌が居ます。鶏肉の腸内には、カンピロバクターが付着している可能性があります。食肉用に加工される過程で、腸内の細菌が肉や内臓に付着することがあります。ほかにもE型肝炎ウイルスなどの人に害を与えるウイルスや寄生虫に感染している場合もあり、食中毒発生のリスクが高いです。鮮度に関わらず、生のままや加熱が不十分な肉は避け、中までよく焼くように心がけてください。肉の中心部の温度が75度で1分間以上加熱するのが目安です。

 次に「すぐに食べる」こと。食中毒の原因となる菌の多くが、室温20度ほどで増殖が活発になります。人の体温くらいの温度で急速に増殖するので、気温が高い屋外は菌が増えやすい環境といえます。材料は食べる分だけクーラーボックスから持ち出し、焼いたらすぐに食べきりましょう。

 最後に「トングを分ける」こと。生肉に触れたトングで焼けた肉を触ってしまうと、細菌やウイルスが再び付着してしまう可能性があります。生肉を持つトングと焼いた肉を持つトングは別々のものを用意して使いましょう。

 今回、ひき肉で皮なしウインナーを手作りしたいようですので、その注意点も紹介します。生のひき肉から作る料理は、ひき肉に付着している病原体がこねることで全体に回ってしまいます。多くの食中毒菌は75度で1分間以上の加熱で死滅することから、肉同様に中心部までしっかり火を通すことが重要です。しかし、ひき肉料理は外側が焼けていても、中は生焼けになっていることがあります。中心部まで火が通っているか不安な場合は、肉汁の色や断面の色など見た目での確認も重要です。また、アウトドアでは、手洗いが不十分なことも考えられます。そのためひき肉料理は自宅で下調理や成形を済ませてアルミホイルに包み、バーベキューでアルミホイルのまま焼くと安心です。

 お肉が焼ける香ばしいにおい、アウトドアの解放感が、気分を盛り上げてくれることでしょう。