Vol.64 食と健康

コロナ禍でのアルコール依存

 最近、お酒を飲む量が増えていませんか?
 緊急事態宣言が解除され、以前より外で飲む機会も多くなってはきたかもしれませんが、長く続くコロナ禍の影響でストレスが溜まり、いわゆる「家飲み」で大量飲酒してしまうケースが増えてきていると言われています。

 もともとお酒は、手っ取り早いストレス解消法の一つです。在宅勤務や外出自粛がきっかけで自宅での飲酒が習慣化したという話はよく聞きます。しかし、自宅で飲んでいると、帰宅や会計を気にする必要がなく、飲酒を止める人も居ない場合は、飲酒量が多くなりがちです。飲みながら寝落ち、ということもあるのではないでしょうか。また、在宅勤務では仕事中に飲酒しても、周囲に気づかれにくいという状況もあります。

 アルコール依存症の方に共通する特徴の一つとして、依存が進む過程で徐々に安くて強いお酒に移行する、ということがあります。それに対応するかのように、アルコール度数の高いお酒(いわゆる「ストロング系」)が店頭で目立つようになってきました。

 飲み過ぎかな、と自覚のある方も「お酒なんかいつでもやめられる」、「ちゃんと仕事はしているし、だれにも迷惑かけていない」と思うかもしれません。これらは病院の窓口で、アルコール依存症の方が必ず口にするセリフです。そもそもアルコール依存症とは、飲酒が自分でコントロールできなくなる病気なのです。

 アルコールは脳に作用するという点で、覚醒剤や麻薬と同じ薬物です。しかし年齢による制限はあるものの、基本的には合法です。多量に摂取したからといって罰せられることはありません。
 アルコール依存症は大変恐ろしい病気で、重症化してしまうと他の疾患よりもつらく悲しい結末をもたらすことになります。社会的地位を失い、大切な人を失い、最後には自分の命も失ってしまいます。自殺者の3分の1は直前に飲酒をしていたというデータがありますし、アルコール依存症者は、そうではない人と比較して自殺の危険性が約6倍高いとされています。

 この記事を読んでドキッとした方は、ぜひお酒との付き合い方を見直してみましょう。大切なのは飲酒以外のストレス解消法を持つことです。コロナ禍における規制が徐々に解除され、活動しやすくなっています。飲酒に代わる趣味や楽しみを探してみてください。