Vol.52 ハラスメント

今こそ!パワハラ・セルフチェック

 いよいよ、来月(2022年4月)から、パワー・ハラスメント防止対策が中小企業にも義務化されます。各企業においては、義務化に向けて準備万端整えていらっしゃることと思います。企業の皆さまはパワハラについて耳にタコができるほど聞いているかもしれませんが、自らの意識を高めるために、義務化直前セルフチェックをしてみましょう!

 まずは、自分の言動をパワハラの6類型で振り返ってみましょう。なお、項目内の「部下」とは、組織上の部下に限らず、自分より劣位にある人全てを含みます。

① 部下に殴る蹴るなどの暴力をふるっていませんか。机を蹴る、物を投げる、机に書類を叩きつけるなどの脅すような行為をしていませんか。(身体的な攻撃)

② 「バカ」「死ね」「脳無し」などと、相手の人格を否定する発言をしていませんか。他の部下がいる前で叱責していませんか。(精神的な攻撃)

③ 特定の部下に対し、無視する、仕事の情報を伝えない、部署の行事に誘わないなどの行為をしていませんか。(人間関係からの切り離し)

④ 充分な説明もなしに仕事を指示していませんか。質問に対し「自分で考えろ」と突き放していませんか。過剰な量、困難過ぎる仕事を与えていませんか。残業や休日出勤を強要していませんか。個人的な用事を言いつけていませんか。(過大な要求)

⑤ 部下に能力や立場にそぐわない仕事を与えていませんか。仕事を与えずに放置していませんか。(過小な要求)

⑥ 部下の私生活や家族について、からかったりおとしめたりしていませんか。プライバシーに踏み込む発言をしていませんか。本人の了解なく病気や性的指向などを他の従業員に言っていませんか。(個の侵害)

 いかがでしたか。思い当たる項目がある方は、自分の言動を意識するようにしましょう。 次に、自分の心を振り返ってみましょう。

⑦ 人の心の痛みを感じ取れますか。
⑧ 部下に対して厳しく、上司に対しては自己主張を抑えていませんか。
⑨ 部下に対する好き嫌いが激しくありませんか。
⑩ 部下の功績に対して素直に褒めることができますか。
⑪ 厳しく叱ることは、いわゆる親心であると考えていませんか。
⑫ 自分の考えだけにこだわりすぎませんか。
 ※人事院「パワー・ハラスメント防止ハンドブック」からの抜粋
 
 最後に、自分をいたわれているか振り返ってみましょう。
⑬ 心身の疲労に気付くことができていますか。
⑭ 相談できる人、愚痴をこぼせる人はいますか。
⑮ ほっとする、嬉しい、楽しいと思える時間は持てていますか。
⑯ 自分の良いところを言えますか。自分を褒めることができていますか。

 自分をいたわれないと他人をいたわることも難しく、気づかぬうちにパワハラをしてしまいかねません。⑬~⑯はパワハラ防止の土台です。①~⑯を意識し、皆で協力してパワハラのない職場を作っていきましょう。

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