Vol.48 食と健康

花粉症を和らげる食生活って?

<Q>
 長年、花粉症に悩まされています。少しでも症状を和らげる食べ物や食生活で気を付けることがあれば教えてください。また、花粉症がある人はトマトを食べない方がよいと聞きました。本当でしょうか。

<A>
 毎年同じ時期につらくなる花粉症は、ご存じのとおり植物の花粉によって生じるアレルギー疾患です。特定の花粉がアレルゲンとなって花粉が飛散する時期に、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみ、涙、喉の痛みなどの症状を起こします。このようなアレルギー症状を食事で治すことは難しいのですが、ある程度の症状を抑えたり、軽減したりすることはできます。

 アレルギー症状は、活性酸素によって悪化するといわれています。体内の活性酸素を働きにくくするには、抗酸化作用がある成分を含む食品が有効です。緑黄色野菜や果物、ナッツ類など、ビタミンA、C、Eを含む食品の摂取を心がけましょう。また、食習慣によってアレルギー症状を悪化させるケースもあります。たんぱく質や脂質の摂りすぎによる偏った食事、刺激の強い香辛料、過度な飲酒は悪化の要因になります。

 花粉症がある人は、生で野菜や果物を食べたときに口の中にかゆみや喉がイガイガするなどを感じることがあります。これは原因となる花粉のたんぱく質と似ている構造のたんぱく質を含む野菜や果物を食べたときに起きるアレルギー反応です。例えば、スギの花粉とトマトは、たんぱく質が似ているため、アレルギーを起こすことがあります。
 そのほかにもリンゴ、モモ、メロン、サクランボ、オレンジ、キュウリ、ニンジン、セロリ、ジャガイモなどが花粉症に関連する食物といわれています。花粉が飛散する時期に食べると、症状が悪化することもありますが、いずれも加熱をして食べると症状が出にくくなります。アレルギー反応には個人差がありますが、原因となる食物を避けたり、食習慣に配慮したりすることが大切です。少しでも楽に花粉シーズンを乗り切りましょう。