Vol.31 メンタルヘルス

夏の間にやっておきたい心のチェック

 8月10日は何の日かご存じですか? 「ハー(8)ト(10)」の語呂合わせから、日本心臓財団と厚生労働省が1985年のこの日に同財団の設立15周年を記念して制定した「健康ハートの日」です。夏の間に心と体をチェックして、心臓病の多発する冬に備える日とされています。

 ここでは特に「心」に目を向けてみたいと思います。「心」のチェックができるツールの一つとして、一定規模以上の職場で実施が義務化(2014年12月施行)された「ストレスチェック制度(※)」があります。ストレスチェックを行うことによって高ストレス者を抽出し、メンタルヘルス不調を未然に防止する一次予防を講じます。また、メンタル不調者の発生を防ぎ、より働きやすく健康的な職場へと改善することを目指しています。ストレスチェックでは「仕事のストレス要因」「ストレス反応」「周囲のサポート」の3領域を測ります。興味深い傾向として、仕事のストレス要因は同等であっても、ストレス反応には個人差があることがあります。その違いを分析すると、「周囲のサポート」の有無が大きく影響しているようです。

 職場でサポートしてくれる人がいる、プライベートで支えてくれる人がいる、いつでもサポートを申し出られる環境がある、といったことがストレスの緩衝要因となります。そういった他者の存在や心の支えは、ストレスを軽減させるだけでなく、ポジティブな行動や感情を生むこともできます。

 コロナ禍でリモートワークが浸透し、職場の仲間やお客様等と対面する機会が減りました。リモートワークは業務遂行に大きな支障はないものの、心理的孤立を生みやすい環境と言えます。職場で複数の仲間と一緒に仕事をしていると表情や様子が分かり、質問や相談のタイミングも図りやすいでしょう。一方、リモートワークでは、「チャットで質問しても1日放置された」というような声も聞きます。そうなると、緩衝要因である「周囲のサポート」を実感しにくいのではないでしょうか。

 ストレスチェックはセルフケアのために活用するものですが、周囲の人の様子を自分がどの程度把握しているか、客観的に振り返るツールとして質問項目を活用してみてはいかがでしょうか。例えば部下や後輩、同僚などの様子を想像しながらその人の目線でチェックしてみることをお勧めします。もちろん、自分自身のセルフケアもお忘れなく。

 「健康ハートの日」がある夏の間にチェックをしておくことで、ストレスを上手に発散できるよう「心のケア」に備えておきたいですね。

2021年8月19日up

関連リンク

厚生労働省「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等」