Vol.23 メンタルヘルス

睡眠とメンタルヘルス

人は心のエネルギーが乏しくなると、最悪の事態を考えて不安になったり、誰かの悪意を想像して怒ったり、自分は無力だと感じて落ち込んでしまうなど、悪い方に考えがちになります。そういった方に最近の生活の中で変わったことはないか聞いてみると、「睡眠時間が減った」「そういえば寝つきが悪くなった」などと言われることがあります。

睡眠不足とメンタルヘルスは相関関係にあることがわかっています。例えば、長時間の労働で睡眠時間が減り、身体的疲労が積み重なることでうつ病になることがあります。逆にうつ病の症状として不眠になることもあります。ストレスにさらされ、傷ついた心と体を修復するための成長ホルモンは、寝ている間に多く分泌されます。日を浴びることにより作り出されたセロトニンは、心地よい睡眠へと導くメラトニンの素となります。メラトニンは免疫力を高めるため、新型コロナウイルスなどの感染症予防にも大切です。

ところが、私たちは長時間楽しむこと、働くことを優先し、スマートフォンやパソコンのブルーライトを浴びる毎日を過ごしています。コロナ禍で人と会うのも画面越しだったり、テレワークという選択肢が与えられたりしました。自宅で過ごす時間が増えたことにより、運動も日を浴びる機会も減った人が多いのではないでしょうか。勤務時間と私生活の境目が曖昧になったことで、夜もメールをチェックすることが増えたという話も聞きます。「新しい生活様式」の中では、これまで以上に睡眠を大切に考える必要がありそうです。

良い睡眠のために、「眠りにつく」こと以上に「すっきりと目覚める」ことに注力する方法があります。「眠れない」ことに注目しすぎると、その緊張や焦燥感でさらに眠れなくなってしまいます。人は、夜、体温が低くなって眠りにつき、朝起きて体温が上昇すると体を動かすことができます。そこで、その体温の上昇を熱めのシャワーを浴びたり、温かいものを食べたりすることで後押しするのです。また、セロトニンは楽しんだり笑ったりすることで作られるので、自分が楽しめることを積極的に取り入れるのも良いですね。

眠れない時にお酒を飲む方は要注意です。確かにお酒を飲むと寝つきやすくなりますが、睡眠の質が悪くなり、疲れは取れません。毎日飲み続けると耐性ができて酒量が増え、心身の健康を害します。

睡眠は健康寿命を延ばし、生産性の向上にもつながります。会社としても、個人の問題とせず、社員のより良い睡眠を手助けすることは出来ないか、健康経営の一環として睡眠改善の啓発に取り組んでみてはいかがでしょうか。

2020年12月17日up