導入事例
遠州鉄道株式会社
事業内容
運輸事業
リテールサービス事業
モビリティサービス事業
不動産事業
ウェルネス事業
自動車運転教習業/情報サービス業/ソフトウェア開発業
導入サービス
ホットライン利用対象人数
11,306人
相談窓口への信頼が、問題に向き合える組織づくりにつながっています
静岡県西部を中心に、鉄道・バス・タクシーなどの交通事業をはじめ、不動産、流通、小売、ホテル、保険など幅広い事業を展開する遠鉄グループ。現在は18社で構成され、多様な職種・勤務形態の従業員が働いています。
同グループでは2006年、公益通報者保護法の施行に合わせて「企業倫理ホットライン」を導入。その後も「取引先ホットライン」を設置し、2025年には法改正を見据えて相談対象を求職者まで拡大するなど、社会環境の変化や法改正を見据えた体制づくりを進めています。
今回は遠州鉄道株式会社 リスク管理課の皆さまに、企業倫理ホットラインの活用状況や、取引先ホットラインを含めたコンプライアンス推進の取り組みについて伺いました。

現場の小さな違和感を見逃さないため、相談しやすい仕組みづくりを続けています
総務部 リスク管理課 課長 中野修吾(写真向かって右)様
総務部 リスク管理課 内部統制担当 リーダー 内山正美(写真中央)様
総務部 リスク管理課 内部統制担当 髙木留美(写真向かって左)様
外部通報窓口を導入された背景と現在のコンプライアンス体制について教えてください。
2006年に公益通報者保護法が施行されるタイミングで、遠鉄グループでは社内通報規程を策定しました。その際、外部の受付窓口も必要だということで、ダイヤル・サービスさんの「企業倫理ホットライン」を導入しました。
現在、私たちはリスク管理課としてグループ全体のリスク管理やコンプライアンス推進を担っています。遠鉄グループは鉄道やバスをはじめ、ホテルやスーパー、自動車関連事業など、多様な事業を展開する18社で構成されています。そのため、各社の総務部門などと連携しながら、グループ全体でコンプライアンスを推進する体制を整えています。
内部通報制度は、単に窓口を設置することが目的ではなく、会社のコンプライアンスがきちんと機能しているかを確認するための「センサー」のような役割を果たしていると考えています。
通報制度の活用を進めるために、どのような取り組みを行ってきましたか。
以前から通報窓口の周知やコンプライアンス研修などは行ってきましたが、特に力を入れるようになったのが2021年以降です。
当時は社会的にもハラスメントが大きな問題になっていたこともあり、経営トップがパワーハラスメント撲滅に向けたメッセージを発信し、「遠鉄グループはパワハラを許さない」という姿勢を明確にしました。動画の配信やポスター掲示のほか、実態を把握するためのアンケートも実施し、通報窓口の周知強化にも取り組んできました。
その中で感じたのは、制度があっても従業員が存在を知らなければ活用されないということです。アンケートでは、「窓口の存在を知らない」「相談すると不利益になるのではないか」といった声もありました。そのため、通報しても保護されるということは研修や説明会で繰り返し伝えてきました。
私たちとしては、「何か困ったら相談してほしい」というメッセージを届け続けることが重要だと考えています。

導入後、どのような変化がありましたか。
通報件数は増加しています。ただ、私たちは件数が増えたこと自体をネガティブには捉えていません。むしろ、現場の従業員が「少し気になる」「もしかすると問題かもしれない」と感じたことを声に出せるようになってきた結果だと考えています。
印象に残っているのは、食品表示に関する通報です。結果としては問題ではなかったのですが、通報してくれた従業員は「不正があってはいけない」という意識を持って行動してくれました。そうした意識を持つ人が増えることで、大きな不正の予防につながると感じています。
以前であれば声にならなかったかもしれない小さな違和感が報告されるようになったことは、制度が浸透してきた一つの成果だと思います。
企業倫理ホットラインの対応をどのように評価されていますか。
最も大きいのは、相談者に寄り添った対応です。これまで相談者から「最初の対応が良くなかった」「話を聞いてもらえなかった」といった声を聞いたことがありません。相談者に寄り添いながら対応していただいているという安心感があります。
遠鉄グループには、鉄道やバス、ホテル、スーパー、自動車関連事業など、さまざまな業種や職種があります。ダイヤル・サービスさんは全国の多様な企業の相談対応をされているため、当グループのように幅広い事業を展開している企業でも安心してお任せできると感じています。
また、相談員の方は、電話の向こうにいる相談者がどのような職場で働いているのかを想像しながら話を聞き、状況を整理して報告してくださっています。実は私たちが社内窓口で直接相談を受けた場合でも、「これはどういう状況なんだろう」と背景を読み解くのが難しいケースがあります。そのような場面でも丁寧に話を引き出し、内容を整理して報告書にまとめていただいているのは、簡単なことではないと思います。
報告書を読むと、「よくここまで状況を聞き取ってくださったな」と感じることもあります。相談員の方の寄り添う姿勢や聞く力が相談者にも伝わっているからこそ、相談窓口への信頼や利用につながっているのではないでしょうか。
"相談員の方の寄り添う姿勢や聞く力が相談者にも伝わっているからこそ、相談窓口への信頼や利用につながっているのではないでしょうか"
中野修吾様
ダイヤル・サービスのサポート体制をどのように感じていますか。
営業担当の方に気軽に相談できることは非常にありがたいですね。制度運用の中で判断に迷うことや確認したいことがあった際にも相談しやすく、迅速に対応していただいています。以前の担当者の方の時からお世話になっていましたが、現在の担当者の方にも引き続き丁寧に対応していただいています。
また、窓口対応だけでなく、コンプライアンス啓発やハラスメント行為者研修に関する相談ができる点も心強く感じています。相談窓口を設置して終わりではなく、制度をどのように周知し、運用していくかという部分まで含めてサポートいただいていると感じています。
貴社は取引先ホットラインも導入いただいておりますが、取引先ホットラインを導入された理由を教えてください。
コンプライアンスは社内だけの問題ではありません。私たちは従業員に対してハラスメント防止を呼び掛けていますが、取引先に対して不適切な対応をしてしまってはいけません。
そのため、取引先の皆さまが相談できる窓口として、取引先ホットラインも導入しました。取引先向けのカード配布や従業員マニュアルへの掲載などを行い、相談できる環境を整えています。
取引先ホットラインの対象に求職者を追加された理由を教えてください。
法改正の動きを見据え、人事部門からの相談をきっかけに、取引先ホットラインの対象を求職者まで拡大しました。新たに窓口を設けるのではなく、既存の仕組みを活用しながら体制を整備した形です。採用サイトなどを通じて周知を行い、就職活動中に不安や悩みを抱えた方が相談できる環境づくりを進めています。
法令対応という側面だけでなく、相談できる選択肢を用意しておくことも重要だと考えています。
最後に導入を検討中の企業へメッセージをお願いします。
企業倫理ホットラインの大きな役割は、現場で起きている問題や不正の兆候を、重大な問題になる前に把握することだと思います。そのためには、従業員が「いつでも相談できる」「相談しても不利益にならない」と感じられる環境づくりが欠かせません。通報のハードルを下げることで、小さな違和感や気付きも組織に届くようになります。
内部窓口だけでは相談しづらいケースもあります。全く知らない外部の窓口があることで、声を上げやすくなる従業員もいるはずです。私たちは、こうした仕組みを通じて課題を見える化し、問題が大きくなる前に対応することが大切だと考えています。外部窓口は、企業と従業員の双方を守るための有効な仕組みのひとつではないでしょうか。
※こころと暮らしのほっとラインについての導入事例はこちらから
https://www.dsn.co.jp/example/entetsu-eap/