第5号:パワーハラスメントについて(2)

ホットライン通信第5号
2009年月2月25日
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◆◇◆第5号:パワーハラスメントについて(2)◆◇◆
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メールをご覧いただいている皆さまへ

春雨が降り続くようになりました。

1月28日に実施した第14回CSRセミナー「通報後の具体的調査方法」は、
大変好評のうちに終了いたしました。
ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
講演録が出来上がりましたら、メールマガジンにてお知らせいたします。

第5号目次
<電話カウンセラーから>
<ホットライン通信からのお知らせ>

<電話カウンセラーから>
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前回「パワーハラスメント(以下パワハラ)は、風通しが悪く、
コミュニケーションが一方通行になってしまった職場環境に出てくる
危険信号のようなものかもしれない」とお話ししました。

(バックナンバーは以下よりご覧ください)

https://www.dsn.co.jp/mailmagazine/

今回もパワハラについてもう少しお伝えしたいと思います。

最近は上司に対して「怒るときにしか自分に話しかけてこない」と
思っている部下も多いと聞きます。では、上司はどのようなことを
考えながら部下に接しているのでしょうか。
『最近の若い社員はストレス耐性が低い。少し注意しただけですぐに
パワハラだの何だのと叫んで、やりにくい。会社は学校じゃないんだ。
そんな甘っちょろいこと言っていて仕事になるか』と思っている方も
いらっしゃるかもしれません。

私たちが外部窓口として通報・相談を受けていて感じるのは、
「上司と部下のコミュニケーションが双方向でなく、お互いに一方通行
になっているのではないか」ということです。
電話を受ける中で気づいたことの1つに「パワハラに関する通報をしたが
その通報を取り消したい」という連絡があることです。
そこにはどうも上司と部下のコミュニケーション不全がありそうです。

1つの事例で示します。
(この事例は、実際にあった通報をもとに創作したフィクションです)

中途入社したばかりという新入社員A氏からの通報。
「B上司のパワハラ的な言動について通報したい。B上司は気分にむらが
あり、イライラするとミスした人を怒鳴りつける。部下が自分なりに
考えて仕事をすると『マニュアル通りに直せ』と言われ、
マニュアル通りのやり方をしていると今度は『もっと工夫してやれ、
やる気がない』とみなされる。また、『仕事は出来てあたりまえ、
出来ないと価値がない』と考え方が厳しい。上司という立場を笠に着て、
必要以上のプレッシャーを部下に与えるのはパワハラではないか。
さらに困ったことに、私は前職との関係もあり、新人としては異例の
扱いで会議などに同席するようB上司から言われることがある。
しかしそれが周囲には、私はB上司から優遇されていると誤解をされて
いるようで、同僚との関係がうまくいかない。
このような状況で業務に支障が出ている。B上司の言動のあり方に
ついて会社から改善指導していただきたい」

A氏は数日後、再び電話をかけてこられました。

「前回の通報後、B上司に『同僚に誤解されているようで同僚との
関係がうまくいかない』という相談をした。
するとB上司は、私の前職や現在の立場を周りに説明して誤解を
解いてくれた。B上司は本当は話の通じる人なのだと分かったので、
前回の通報を取り消していただきたい」

この取り下げは、A氏が窓口でカウンセラーと話したことにより、
何らかの心境の変化が起こったのだと想像できそうです。
まず、A氏は自分の思っている考えと気持ちを十分に話すことが
できたことにより、本当の意味で話を聴いてもらえた(非難されず
自分を受け止められた)と感じたのではないでしょうか。
そのため、B上司に対するわだかまりが自然に消えて、窓口で話して
受け入れられた経験から、上司にも話してみようと思われたのでは
ないでしょうか。
しかし、上司と話すことはそれほどハードルの高いことなのでしょうか。

確かに、コミュニケーションが取れていない上司から厳しい指示を
受ければ、部下は想像以上にショックを受けパワハラだと感じるかも
しれません。一方上司も、よく知らない部下にどんな指示の仕方を
すれば効果があるのか分からないのではないでしょうか。
この事例でも、B上司は相談をされた後、A氏のために適切な対応を
しています。この事から、B上司は部下のことを考えていないのでは
なく、部下の状態を知らなかったのだと思います。
つまり、今回の件は、上司も部下もお互いをよく知らないまま仕事を
していて、互いの無知から生じる食い違いやすれ違いに、
耐え切れなくなった立場の弱い方(部下)が「パワハラ」と言って通報
してきたと想像できます。

部下をもつ上司の皆さん!それぞれの部下がほめたら伸びるのか、
励ましたらいいのか、叱ったほうがいいのか、部下の顔とその人に適した
接し方が一緒に浮かんでくるでしょうか。部下1人1人の情報を持つことで、
パワハラを防ぐ、あるいはパワハラと誤解されるような言動を防ぐことが
できるかもしれません。
私たちが通報・相談を聴いていると「それはまず上司と話したほうが良い
のではないか」「その気持ちを上司に伝えないといけないのではないか」
と感じることが多いのです。でも、部下から上司に直接伝えづらい
という理由で、外部窓口に電話をかけてこられます。
上司の皆さんには、是非、立場の弱い側の気持ちを積極的に聴いて
くださる場を作っていただきたいと思います。

私どもは、パワハラを「単なるコミュニケーションのちょっとした
すれ違い」だけとは認識していません。そうした訴えの背景には、
ひょっとすると疲れ果てあるいは自信を失くされた上司、つまり、
管理職や経営層の姿があるのではないかとも思います。

上司の皆さんの中には、管理の立場で仕事をする上で、「業務を遂行
しなければならない」「部下の指導やコミュニケーションを取らなければ
ならない」等、限界まで一人で抱え込んでいる方も多いのが実情ではない
でしょうか。そこで、上司の皆さんにも社内外の相談窓口を大いに利用して
いただきたいと思います。
カウンセラーと話し、ご自身の現在の状況やお気持ちを再確認し整理する
ことで、こころに少し余裕ができるかもしれません。
余裕ができることで、部下の様子をみたり、話を聴いたりというコミュニ
ケーションを取ることが自然に出来てくるのではないでしょうか。
これは、双方向のコミュニケーションを円滑に進めることにも役立つと
思います。

私ども外部窓口のカウンセラーも、通報・相談の内容が、風通しの良い
活気ある職場のシステムを作り上げるために活かされるように
願っております。

<ホットライン通信からのお知らせ>
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(木)第1回「メンタルヘルス対策セミナー」を開催いたします。

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講演や著作で有名な、横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の
山本晴義医師より、「ストレスは、一日決算主義で解消を」と題して
ご講演いただきます。
また、北里大学非常勤講師の羽岡邦男氏より、「企業におけるメンタル
対策の実践的ポイント」について、今日から実践できる具体策について
お話しいただきます。

セミナー内容の詳細は以下をご覧いただきますようお願いします。

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【お申し込み方法】
下記リンク先の申し込みフォームに記入・送信してください。

https://www.dsn.co.jp/seminar/application.html

皆さまのご参加をお待ちしております。

●官、民様々なコンプライアンスの問題を取り上げる、
桐蔭横浜大学法科大学院郷原先生のメールマガジンをホットライン通信
からもご覧いただけます。
今回は、2月3日東京高裁で行われた村上ファンド事件控訴審判決について
コメントされています。

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「法令違反」だけではなく、「偽装」「隠蔽」「捏造」「改ざん」などの
レッテルを貼られると、一切の弁解・反論が許されず、
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