プレッシャーを乗り越える

東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により1年延期になってしまいました。本来なら、今頃は日本が獲得するメダルの数や、活躍が予想される選手の話題で持ち切りだったでしょう。オリンピックという大舞台ではさまざまなドラマが生まれます。栄冠を勝ち取る選手もいれば、プレッシャーに押しつぶされ実力を発揮できない選手もいます。トップレベルの選手たちの実力は伯仲しており、精神的な要因が結果を左右することは多々あります。
 

ちなみに、トップアスリートの精神面に関する国の研究と実践は、前回の東京オリンピックの4年前1960年頃から始まりました。当時の日本体育協会を中心に「あがり対策」として行われ、その成果は過去最大のメダル獲得という結果に結びつきました。
 

国の威信をかけて金メダルに挑む、という経験は限られた選手しか味わうことのできないものです。ですが、人生において、その結果が今後を大きく左右する、というプレッシャーのかかる場面は、誰でも何回かは経験するのではないでしょうか。そんな場面で最大の成果を上げる方法をお伝えします。

プレッシャーが大きくなればなるほど考えがちなのが「失敗したらどうしよう」「うまくいかなかったらどうしよう」という考えです。人間は常にリスクを気にする生き物であり、思考パターンとして、最悪な結果を想定することは自然なことです。ここで大切なのは「思考」から「行動」への移行です。いくら時間をかけて考えても、行動に移さない限り結果には結びつきません。
 

例えば、社運を賭けたプロジェクトのプレゼンテーションが2週間後に迫っています。「どうしよう」「失敗したら大変だ」と考えてばかりでは無駄に時間が過ぎるだけです。そこで、プレゼンの前日までは、失敗しないための具体的な方法を片端から実行することに集中します。それこそ寝る間も惜しんで、準備に全労力を費やします。
 

迎えたプレゼンの前日、今度は「どうしたら失敗しないか」は一切考えずに、逆に「どうしたら本番で最大のパフォーマンスが発揮できるか」を具体的に考え、実行することに集中します。「準備が終わったら早く帰宅しよう」「体調を整えるために暴飲暴食は控えよう」「早起きして準備できるように早めに寝よう」など、ここでも行動することが大切です。当日は、準備してきた成果を存分に発揮しましょう。
 

いかがでしょうか。えっ、そんなに上手くいくものかって。確かに、こんなにうまく事が運べば誰も困りませんよね。「やり残したことがある」「準備にかける時間が足りなかった」と思うこともあるでしょう。そのような時に必要なのは、「どんな結果も引き受ける」という覚悟です。いい意味での「開き直り」とも言えるでしょう。覚悟が決まれば失敗を恐れることもなくなります。
 

「思考」、「行動」、そして「覚悟」。この3つで大きなプレッシャーを乗り越えてください。