災害時のメンタルケア

今秋、幾度かの台風が広い地域に甚大な被害をもたらしました。多くの方が少なからず通常とは違う状況にさらされたのではないでしょうか。思いもかけぬ災難にあわれた方々には、心よりお見舞い申し上げます。

日常を侵害されることによる心理的な負荷は高いものです。被災のショックや非日常な生活が続くと心身に不調が起こります。例えば以下のような変化がないか、ご自分や周囲の方、職場の従業員に注意を向けてみてください。
 

 
【身体的変化】

睡眠の変化(寝つけない、うなされる、など)、食欲の変化(空腹感がない、味がしない、過食、など)、頭痛、腹痛、めまい、耳鳴り、体の凝り、視力の低下、など。

 

【行動の変化】

タバコやお酒の摂取量が増える、何もやる気がしない、集中できない、落ち着かない、ミスや忘れ物が増える、人と会いたくなくなる、など。

 

【感情・思考の変化】

気分の落ち込み、同じようなことが起こるのではないかという不安・恐怖、感情の麻痺、突然涙が出る、出来事に関連した物や人に怒りを感じる、自分を責める、何かできたのではと後悔する、など。

 

こういったストレス反応は、突然の非日常的な出来事に対する正常な反応です。出来事の直後に現れることもあれば、数日、あるいは1か月ほど経過してから現れることもあります。注意を向けることで自分や周囲の不調に気が付きやすくなるため、早い対処が可能となります。
 

このような時は極力一人にならず、人と一緒に過ごすことが大切です。食事・睡眠・休養を意識して取り、規則的な生活を心がけましょう。お酒やタバコ、ギャンブルは控えます。楽しいこと、好きなこと、ホッとすることを積極的に取り入れ、安心して過ごせる場所を確保してください。また、業務などで車の運転や機械の操作をする際は、いつもよりも注意が必要です。
 

災害時は、「周りも同じように大変なのだから、自分ばかりが弱音を吐けない」と、つらい思いを一人で抱え込んでしまうことがよくあります。しかし、話したい時に気持ちを言葉にしていくことが回復の助けになることもあります。ダイヤル・サービスが行っている電話相談窓口では、言葉にしづらい思いを聴き取れるよう相談員がお話をうかがい、少しでも気持ちや体が楽になる方法を一緒に考えます。
 

上記のようなストレス反応が1か月以上続いたり、日常生活に支障がでたりすれば、すぐに医師や専門家に相談してください。企業や職場で従業員やその家族の精神的な影響にも考慮した支援体制を整えておくことは、重要な災害時対策の一つです。