発達障害者の特性と職場の配慮

今年4月に施行された障害者雇用促進法の改正による法定雇用率の引き上げに伴い、対象とする障害者の範囲が広がり、発達障害者を含む精神障害者も義務化の対象となりました。今後、職場で活躍する精神障害者の数が増えることでしょう。こうした状況を背景として、障害の特性に配慮した働き方について積極的に取り組んでいる企業も増えています。しかし、障害者それぞれの特性に、個別に対応することは容易ではありません。

ダイヤル・サービスには、精神障害者からの、中でも発達障害の特性を持って働いている従業員からの相談が増えています。一生懸命働いているにも関わらず、自分の特性と仕事の内容が合わない、コミュニケーションが苦手、状況に合わせた対応が難しい、上司や同僚が障害について理解してくれない、などと感じて職場の中で孤立しています。状況に耐えられず辞めようと考えたり、うつ病などの二次障害を併発したりする人も少なくありません。周囲の上司や同僚からも、具体的にどう対応したらよいのかが分からずストレスを感じている、という相談もあります。


発達障害にはさまざまな種類がありますが、主に自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つに分類されます。自閉症スペクトラム障害は、社会的な関係を構築する能力、コミュニケーション能力、想像力などに偏りがあります。注意欠陥多動性障害は、不注意、多動性、衝動性が目立ちます。学習障害は、読む、書く、計算する等の一部が極端に苦手なのが特徴です。ただし、発達障害の特性は人により違うので、職場では本人の特性を理解し、長所を伸ばすための支援を行なう必要があります。

 


発達障害者の仕事や人間関係が円滑になるよう職場側で配慮できる具体例を紹介します。
・伝えたいことを口頭ではなく、メモやメール、ホワイトボードに記載して伝える。
・曖昧な表現や指示語を理解するのが苦手なので、指示はひとつずつ具体的に出す。
・複数の人から指示を受けると混乱するので、誰の指示で動けばよいかを明確にする。・困っていることはないか、疲れていないか等、定期的に声かけをする。
・仕事の優先順位をつけ、手順を掲示しておく。

職場の発達障害者への配慮は、当事者、企業双方に差し迫って大切な課題です。職場の配慮によって発達障害者が能力を最大限に発揮することができるなら、企業にとっても大きなメリットになるでしょう。


※「障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わりました」 厚生労働省2018年4月