ゲーム症/ゲーム障害とは

2018年WHO(世界保健機関)が25年ぶりに出版するICD-11(国際疾病分類第11版)の草稿に、初めて「ゲーム症/ゲーム障害」が掲載されることになりました。ゲーム症の特徴を「ゲームの優先順位が高まり、生活上の問題が生じても、その他の興味や日常の活動よりもゲームを優先して継続またはエスカレートさせる程、ゲームに対して自らのコントロールを失っており、個人、家族、社会、学業、仕事などにおける役割に重大な影響を及ぼす状態が、12ヵ月以上持続するか、上記症状が重症である (※1)」と説明しています。
これは、世界中でゲームのために問題が生じている人が多いということでしょう。ガイドラインが明確になったことで、今後一層知見が集まることが期待されています。


2002年、韓国で24歳男性が86時間オンラインゲームを続けた結果、エコノミー症候群により死亡したというニュースがありました。ゲーム症が文字通り命に関わる問題であることがわかります。日本でも「ネトゲ廃人」という言葉が定着し、睡眠、食事、トイレの時間さえ惜しんでゲームに没頭する人がいるようです。本人は問題意識を持たないことも多く、「意志が弱い」などと責めるだけでは解決しない事態なのです。
オンラインゲームには、多人数でプレイするものがあり「途中でやめるとメンバーの迷惑になる」と考えて抜けられなかったり、“終わり”がないゲームを際限なく続けてしまったりするようです。ネット上に人が集まりやすい夜間にプレイすることも、生活リズムが乱れる一因です。時間とお金を注ぎ込むほど地位や強さが上がるため、現実社会では得られないような評価や興奮が得られることも、やめられなくなる要因となります。

誰でも簡単に始められるゲームは、今後さらに幅広い世代で楽しまれるものになるでしょう。例えば、身近な人が会社を休みがちになったり、遅刻が多くなったり、就業中に寝てしまったり、業務に集中できなかったりする裏に、もしかするとゲームの存在があるかもしれません。ゲームをしない方には信じがたいことですが、誰にでも起こり得る疾患であると認識して、ひどくなる前に対処できれば早い回復に繋がります。もしも職場内のゲーム好きな人の言動や就業状態が気になったら、まずはその人とコミュニケーションをとることが重要です。本人の言い分に耳を傾け、そのような状態に陥った背景や、現実生活を充実させるカギを探れば、改善のポイントが見つかるかもしれません。現時点ではゲーム症に特化した治療を行う医療機関は限られています。異変が顕著な場合は、まずは心療内科や精神科への受診をお勧めします。

 

※1 WHO Gaming disorder
参考資料:「ネット依存について」国立病院機構久里浜医療センター ネット依存治療研究部門 2017年