「売り手市場」時代の新入社員教育

今年の新入社員は「売り手市場」の就職活動だったと言われています。国の調査によれば2018年卒大学生就職内定率は91.2%(2月1日現在)と、調査開始以降同時期で過去最高でした。

昨今の学生は1990年代生まれを中心に「さとり世代」(※1)とも評されます。大学生向けメンタルヘルス相談窓口には、傷つくことを恐れて他人や外界と「ほどほど」の距離感を保ちながら就活に励む苦労を口にする学生もいます。何事も受動的で、極力努力をせずに結果を出すことに注力しがちな印象です。また、ハラスメント相談窓口には、例えば、「新入社員に注意をしたら“パワハラだ”と言って会社に来なくなった」「部下に指導をしたつもりが、“人格否定”と捉えて精神的にダメージを受け、メンタル不調になった」といった相談が上司から入ります。

こういった世代を新入社員として迎える企業側は、どのような社員教育をすればよいのでしょうか。一般的には、学生から社会人へのマインドチェンジを図る目的で、集合研修やOJT、e-ラーニングとあらゆる手法を駆使して様々な研修が実施されています。その骨子となるのは、経済産業省が2006年から提唱している「社会人基礎力」でしょう。2018年には「人生100年時代の社会人基礎力」(仮称)として再定義されました。

社会人基礎力は「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な能力」と定義され、次の3つの能力・12の能力要素から構成されています。

  • 前に踏み出す力(アクション)…主体性・働きかけ力・実行力
  • 考え抜く力(シンキング)…課題発見力・計画力・創造力
  • チームで働く力(チームワーク)…発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力

 

中でも「チームワーク」に重点を置いた研修を導入している企業が増えています。「コミュニケーション力」を中心に研修を実施してほしいという弊社への要望も目立ちます。企業側の意向として、コミュニケーションを社員への個別対応だけに留まらず、組織の問題として捉えて“社員教育”という切り口から見直そうとしていることが分かります。

社会人基礎力の中の「相手の意見を丁寧に聴く(傾聴力)」「意見の違いや立場の違いを理解する(柔軟性)」「自分の意見を分かりやすく伝える(発信力)」といった力は、コミュニケーションの基本です。そういった個人の能力が柔軟で幅広いものとなるよう、まずは社会人基礎力のスキルアップとしてリアルなコミュニケーション力向上の支援が必要ではないでしょうか。社員のコミュニケーションスキルの向上をお考えの企業様はご相談ください。お待ちしております。

 

※1「さとり世代 盗んだバイクで走り出さない若者たち」(原田曜平/著・角川書店)