3月の自殺対策強化月間に向けて

自殺対策基本法では、3月を「自殺対策強化月間」と定め、国や自治体が関係団体と連携して、悩みを抱えた人が必要な支援を受けられるよう自殺防止の取り組みを実施しています。例年3月は自殺者数が多い時期です。厚生労働省の統計によると、自殺の原因でもっとも多くの割合を占めているのが「健康問題」。その中でうつ病は約4割を占めています(※1)。これまで多くの人が職場での長時間労働やハラスメントに苦しんだ結果うつ病となり、自らの命を絶っています。自殺を防ぐことは大切ですが、その前にうつ病そのものを早期発見することがより大切です。うつ病が悪化すると、仕事ができなくなり、自殺に追いこまれるほどの精神状態になることはよく知られています。しかし、ダイヤル・サービスのメンタルヘルス相談窓口には、睡眠障害や体重減少、頭痛や動悸、耳鳴りなど、うつ病の身体症状が出ているにも関わらず、無理をして働き続けている相談者が多いように感じます。

 

このような現状に対応するために、部長・課長などの管理監督者は部下の相談対応や職場の環境改善、職場復帰支援等の「ラインケア」に取り組む必要があります。中でも部下を日頃から観察し、異変に早く気づくことが大切です。部下に次のような様子が見られた場合は、不調の可能性があります。
遅刻・欠勤が増えた、仕事のミスやトラブルが増えた、口数が少なくなった、疲れているように見える、弱音を吐くようになった、服装や髪形が乱れてきた、など。

 

 

 

例えば、いつも早く出社していた部下が遅刻や欠勤を繰り返すようになった場合は不調を疑ったほうがよいかもしれません。本人が「大丈夫」と言ったとしても要注意です。異変に気づいたら、まずは職場で起きている問題や出来事について本人と話し合い、体調がすぐれないようなら職場内の産業医や衛生管理者、心理職等の専門家へ、専門家がいない場合は外部の医療機関へつなぎましょう。症状が軽いうちに受診させることが一番ですが、本人に病識がないケースも多く、うつ病の初期段階で受診する人はわずかです。

 

 

特に3月は年度末の人事異動や、家族のライフイベント、寒暖差などで体調を崩しやすい時期です。管理監督者は部下とのコミュニケーションを増やし、観察を心がけてみてください。また管理監督者自身も「セルフケア」を心掛け、心身に余裕をもった状態でいることが重要です。

※1 厚生労働省 平成28年版自殺対策白書 第2節 自殺の状況をめぐる分析より
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/16/index.html