依存症とその対応について

人はアルコールに限らず、様々なものに依存してしまうことがあります。 薬物、ギャンブル、買い物、近年ではインターネットへの依存も問題視されています。これらは適切に利用すれば、気分転換になり有用です(もちろん違法なものは除きます)。 しかし、仕事がある日でも朝から酒を飲まずにいられない、ギャンブルのために借金をし続けるなど、生活や心身に悪影響を及ぼしているにもかかわらず止めることができないのであれば、 病的な依存(嗜癖)です。依存症専門の精神科クリニックなどの専門医療機関による治療が必要となります。

しかし、専門医療機関での治療によって一時的に依存が止まったとしても、社会生活に戻った後、再発してしまうことは珍しくありません。 依存症はコントロール喪失の病であり、根治することは難しいと言われています。 再発予防においては、セルフヘルプグループへの参加が重要な役割を果たします。

アルコール依存症のセルフヘルプグループであるAA(Alcoholics Anonymous/アルコホーリクス・アノニマス)は、半世紀以上の歴史を持つ世界規模の組織です。「飲酒をやめたい」という願いがあればだれでもメンバーになれ、ミーティングに参加できます。 Anonymous (匿名の)という名の通り、参加者は実名を名乗る必要がありません。言いっぱなし聞きっぱなしの受容的なミーティングが基本で、回復に向けて12のステップと呼ばれる方法が使われています。 12のステップは、自分が依存症に対して無力である、自分ではどうにもならないと認めることから始まります。そして、ミーティングを通して、無力である自分が支え支えられる体験をしながら、回復への道を歩んでいくことになるのです。

依存症のセルフヘルプグループの多くが、AAの方法を踏襲しています。薬物依存のNA(Narcotics Anonymous)、ギャンブル依存のGA(Gamblers Anonymous)、 新しいところでゲーム依存のOLGA(On-Line Gamers Anonymous)などがあります。家族のためのセルフヘルプグループもありますので、家族が依存症ではないかと悩んでいる方が参加してみるのも一つの方法です。相談機関等については厚生労働省のホームページをご参照ください(※1)。

依存症は死に至る可能性のある、とても怖い病気です。ためらわず、早めに専門医療機関にご相談ください。

 

 

※1 厚生労働省 依存症対策
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html