春は「腰痛の季節」

腰痛は国民病とも現代病とも言われ、多くの人を悩ませています。中でも、突然激痛が走るぎっくり腰は「魔女の一撃」とも呼ばれるほどの衝撃で、「腰をかがめたとき」、「くしゃみをしたとき」、「仕事の疲れがたまったとき」がきっかけの方が多いようです。 春先は「腰痛の季節」でもあり、テレビや雑誌で腰痛に関する特集が頻繁に組まれます。腰痛は、休業4日以上の職業性疾病の6割を超える労働災害となっており、政府も平成25年6月に「職場における腰痛予防対策指針」(以下、指針と略)を改訂し、適用範囲を広げるなどその対策に力を入れています。

 

重量物を取り扱う事業場や、福祉・医療分野における介護・看護作業全般は言うまでもなく、車の運転や、長時間の立ち作業や座り作業など、同一姿勢での長時間作業・不自然な姿勢を伴う作業においては腰部への負担が大きく、腰痛につながるリスクも大変高いといえます。

 

指針では、職場における腰痛の発生原因として、動作要因、環境要因、個人要因、職場の対人ストレス等に代表される心理・社会的要因をあげています。そして、これらが単独で発生要因となることは稀であり、複合的に関与していると指摘しています。

 

実は、痛みがあるのにレントゲンやMRIなどの検査画像では骨や椎間板などの組織に異常が見られず、明らかな原因を特定できないものが腰痛全体の大半を占めていると言われています。こうした原因不明の腰痛を「非特異的腰痛」と呼び、その中でストレス、不安、うつなどの心の不調が原因となっている腰痛を「心因性腰痛」と呼んでいます。 また、原因が特定できる腰痛でも、心理・社会的要因が腰痛に悪影響を及ぼすことがあります。例えば、腰痛で「周囲に迷惑をかけているのでは」という罪悪感や、職場復帰への不安もストレス要因としてあげられます。人員不足等により、強い腰痛でも仕事を続けざるを得ない状況もストレスになるでしょう。

 

指針においては、心理・社会的要因への対応のポイントとして「上司や同僚のサポート、腰痛で休むことを受け入れる環境づくり、腰痛による休業からの職場復帰支援、相談窓口の設置など、組織的な取り組みを行う」ことをあげています。

 

とはいえ、私たち自身が工夫したり、注意したりすることで防げることもあるでしょう。指針には、職場でできるストレッチ、荷物の持ち方や作業のポイントなども記載されています。ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

参照:「職場における腰痛予防対策指針」(厚生労働省HP)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/youtsuushishin.html