熊本地震と心のケア

熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 

災害のような未曾有の事態に直面すると、人の心と身体にはさまざまな反応が現れます。
被災直後には、不安や緊張を感じたり、落ち着きがなくなったり、情緒不安定になったり、逆に無感情に見えたりすることがあります。 これらは「非常事態における正常な反応」と言われ、多くは時間の経過とともに落ち着いていきます。回復のためには、「安全・安心・安眠」の確保が重要です。

 

しかし、今回は深夜に本震が起こったうえ余震が非常に多いため、これらが得られず、気が張った状態が続いているのではないでしょうか。
人の体は、危険を察知すると交感神経が優位になり、血圧が上がり脈拍は早くなり、いつでも緊急行動に移せるような緊張状態(=過覚醒)となります。物音や光に過敏になったり、寝ていないのに元気だったりするのもこのためです。
散歩やストレッチ、深呼吸など意識的にリラックスのスイッチを入れましょう。

 

気分の落ち込みや意欲の低下、怒りや虚しさ、絶望感や罪悪感もよくある反応です。 それだけ大変な、つらい思いをされたのですから、反応や変化が生じるのは当たり前です。少しずつ、「いつもと同じ」ことを取り入れることで日常へと戻っていきます。

しかし、心身の反応と回復の経過は人によって異なります。
時間が経つにつれて個人差は顕著になり、「いつまでもくよくよして」と思う人もいれば、「もう笑っているなんて」と感じる人もおり、この温度差から人間関係が悪化することも珍しくありません。 お互いの意思や立場を尊重し、「違うのは当たり前」だと認識することが大切です。

 

また、被災者に声を掛けたり話をきいたりする際にも配慮が必要です。
「もう大丈夫」、「これ以上悪くなることはない」などは、一見安心感を与えるようですがその場しのぎであり、不確実な情報を伝えることになります。 「助かってよかったですね」、「前向きに考えないとダメですよ」など、一方的な価値判断を含む表現も適切とは言えません。
また、震災体験を話すよう無理強いすることも控えましょう。
とはいえ、つらい体験を心の奥に閉じ込め続けると回復が遅れることもあるので、話したいときに安心して気持ちを表現できる環境を整えることが大切です。

 

弊社では、「熊本地震被災者支援相談窓口」を開設いたしました。ご自身や周囲の方の心身の不調や気になることがありましたら、気軽にご利用ください。 お心に寄り添い、少しでも「安心」をお届けできるよう、相談員一同お待ちしております。