森林浴のすすめ

信心深いわけではないけれども、二年参りや初詣は欠かさないという方は多いのではないでしょうか。「お参り」という行為だけではなく、神社という非日常、神聖な空間に身をおくことで空気が違うと感じ、清々しい気持ちになるのかもしれません。

 

日本は森林率(国土面積に占める森林面積の割合)が67%と世界有数の森林国です。昭和57年、当時の林野庁は豊かな森林を有効に利用するために、森林に入って安らぎを得ることを「森林浴」として提唱しました。当時は癒しやリフレッシュ、リラックスなど心理・精神的な側面から語られていましたが、その後の研究によって次のような効果があることがわかってきました。

 

 

1. 森林浴でストレスホルモンが減少する 
2. 森林浴で副交感神経活動が高まる
3. 森林浴で交感神経活動が抑制される
4. 森林浴で収縮期・拡張期血圧、脈拍数が低下する
5. 森林浴で心理的に緊張が緩和し活気が増す
6. 森林浴によりNK(ナチュラルキラー)活性が高まり免疫機能が上がる
7. 森林浴により抗がんタンパク質が増加する
(森林セラピーソサエティHP参照)

 

つまり、ストレス状態が改善され、意欲やエネルギーが回復し、気分が安定する。また、身体の痛みなどの自覚症状が軽減し、自律神経系も整い、免疫機能が上がるため、全身の健康状態がよくなる。さらに、身体を動かすことで運動機能の維持・向上が期待できる、というのです。

 

近年、これらの効果を心と身体の健康づくりや予防に活用する目的で、「森林セラピー(森林セラピーソサエティの登録商標)」や「森林療法」(以下まとめて「セラピー」とします)が行われています。

 

「セラピー」では、風景を見る、風の音や鳥の鳴き声を聞く、樹の幹や土に触れる、木の香りを嗅ぐ、木の実や湧水を味わうなど、森林を五感で感じることが大切にされており、ウォーキングや、呼吸法・気功・ヨガなどの健康法も取り入れてプログラムが組まれています。ガイド・セラピスト役と1対1で行われることもあれば、グループで行われる場合もあります。研修として取り入れている企業もあるようです。

 

「セラピー」となるとお金も時間もかかりますから気軽にというわけにはいきませんが、樹木が多く落ち着ける場所(公園や神社など)であれば、のんびりと散歩するだけでも森林浴の効果を得ることができると思います。

 

冬は抑うつ的な気分になりがちです。立春を過ぎ、これから徐々に暖かくなっていきます。晴れた日に森林に出かけ、ゆったりと呼吸をし、五感を研ぎすませてみてはいかがでしょうか。