ラインケアについて(過重労働対策)

 11月1日、初の「過労死等防止啓発月間」がスタートしました。 「過労死等防止対策推進法」が施行され、それに伴って「国民の間に広く過労死等を防止することの重要性について自覚を促し、これに対する関心と理解を深める」という目的で行われているものです。
 「過労死」とは、長時間労働・不規則な勤務・頻繁な出張など業務に起因する極度の過労やストレス、長時間にわたる疲労の蓄積などにより、脳疾患や心臓疾患を起こして死亡することを言います。 長時間労働や仕事上の過度のストレスから心身の不調を来し、自殺をした場合も過労死となります。

 

 過労死が労災として認定されるときの基準として、厚生労働省の「脳・心臓疾患の認定基準」があります。平成13年に改正されています。 長期間(おおむね6か月間)の過重業務による疲労の蓄積を負荷要因として考慮することとし、過重負荷の有無の判断基準として、
・「発症前1か月間ないし6か月間にわたって、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が
  長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まる」
・「発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たり
  おおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強い」
などの具体的な目安が示されています。

 

 精神障害の労災認定においては、長時間労働があった場合には「心理的負荷」の強度が「強」と評価されることがあります。 ちなみに、発病直前の1か月におおむね160時間以上の時間外労働があった場合や、発病直前の3週間におおむね120時間以上の時間外労働があった場合には、 「特別な出来事」として労災認定の要件のうち一つを満たすことになります。

 

 労働安全衛生法では、一月あたりの時間外・休日労働時間が100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者からの申し出があった場合は、医師による面接指導を行わなければならない(義務規定)、としています。 (法66条)また、月80時間を超える労働者であって申し出を行ったものについても面接指導等をするように規定されています。(努力義務)

 

 これらの制度の適切な実施には、管理職の方々の部下に対する「マネージメントスキル」の占めるウェイトが非常に大きいと思われます。 また管理職自らが長時間労働を減らすための働き方を模索しなければなりません。特定の人に仕事が集中しないよう分散させ、何かあった時もお互いがカバーし合える職場環境を作りだすことが今求められています。

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