セルフケアについて(ストレス対処法)

 今回と次回はセルフケアについてお伝えします。

 

 厚生労働省は「労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルス指針、平成18年3月策定)」を定め、職場におけるメンタルヘルス対策を推進しています。 その中で、「4つのケア」として「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」を挙げています。 中でも「自分の健康は自分で守る(自己保健義務)」である「セルフケア」は全てのケアの中心と位置付けられています。 事業者に対しては、積極的に労働者の健康状態を把握し、その対策を行う「安全配慮義務」の必要性が強調される一方、労働者も自ら健康管理を行い、仕事に支障をきたさないようする義務、すなわち「自己保健義務」を有しているのです。

 

 「セルフケア」へのアプローチとしての以下の3つがあります。
  ・自分自身の「ストレス」(ストレス要因やストレス反応等)に気づく
  ・ストレス要因(問題)に対処する
  ・自覚するストレス反応(一時的な不調)を和らげる

 

 ストレスは誰しも多かれ少なかれ自覚しているものです。ストレスを過度にためない、また、適度なストレスとうまくつきあっていくためにはどうしたらよいのでしょうか。 それには、「自分のストレスに気づく」ことが大切です。ここでは、ストレスへの気づきについて2つご紹介します。

 

 1つ目は、こころの不調によって現れる、こころ、体、行動のサインへの気づきです。最近、「よく眠れないなあ」、「イライラすることが多くなってきたなあ」というのは、こころの不調によって現れるこころのサインのひとつです。 このようなこころのサインを、そのまま放っておくと、ストレス性の疾患など治療が必要なレベルに移行する可能性もあります。こころのサインに気づいた場合には、早めに誰かに相談する、ストレス要因を軽減するなどの対応をとることが大切です。 こころの不調としてのストレスのサインの具体的な事例は以下のとおりです。



(こころの面)
  悲しみ、憂うつ感、不安感やイライラ感、緊張感、無力感、やる気が出ない
(体の面)
  食欲がなくなる、やせてきた、寝つきが悪い、朝早く目が覚める、動悸がする
  血圧が上がる、手や足の裏に汗をかく
(行動の面)
  消極的になる、周囲との交流をさけるようになる、飲酒、喫煙量がふえる
  身だしなみがだらしなくなる、落ち着きがない

 

 2つ目は、ある出来事が複数重なった場合や長く続いた場合に生じるこころの不調への気づきです。こころの不調には、背後にそのきっかけとなる出来事やストレスの原因が潜んでいることがあるからです。 ストレスの原因になりうる要因として出来事を自覚していることは、とても大切なことです。以下に具体例を挙げます。



(生活上の出来事)
  ・自分や家族の誰かが病気・けが・災害などの被災体験をした。
  ・子どもの進学、夫婦や親子の不和など、家庭内の人間関係に問題があった。
  ・ローンや借金、収入の減少などの金銭問題があった。
  ・引越しや騒音などの住環境の変化があった。
(職場での出来事)
  ・仕事での失敗やミスがあり、責任を問われた。
  ・仕事の量や質、勤務時間などが変化した。
  ・上司や同僚、部下などと人間関係でのトラブルがあった。
  ・昇進や配置転換、転勤など役割、身分の変化があった。

 

 このような出来事に遭遇した場合、ストレス要因(問題)が明らかになりましたら、次はどのように対処するかが重要になってきます。

 

 ストレス要因(問題)が自分で対処できるくらいの程度であれば、こころの不調にはつながりにくいです。問題となるのは、自分だけでは解決できない場合です。そのような時は、まず友人、家族、同僚といった身近な人に相談しましょう。 困った時やつらい時など話を聴いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。また話すことで、自分の考えが整理され、解決策が見つかることもあります。 そのためにも日頃から気軽に話せる人を増やしておきましょう。しかし、こころや体の症状が続くようなときは医師や看護師、カウンセラーなどの専門家に相談する必要があります。問題が大きくなる前の早期対応がセルフケアにおいては何よりも重要だからです。

 

出典:働く人のメンタルヘルスポータルサイトイラスト

「こころの耳」・ストレスへの気づき
 http://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/004.html