「好奇心」は、心の「食欲」

 相談に来られる方の中に、「何をやっても楽しめない」「何にも興味が持てない」と話される方がいらっしゃいます。そのような方は若い人から、年配の方まで幅広い世代にわたり、特に男性に多いという印象を受けます。

 

 うつ症状をチェックする項目の中に、「興味のあることや仕事あるいは趣味に関する興味の欠如」(「ハミルトンうつ病評価尺度」より)、や「何をするのもめんどうだ」(「CES-D=うつ病自己評価尺度」より)といった質問があります。うつ状態は、意欲という心のエネルギーが、枯渇してしまった状態であり、それを確認するためにこのような質問が入っているのです。

 

 話は変わりますが、子どもの好奇心は無限大です。子どもは、食べることで体が成長し、ものごとを見聞きし体験していくことで心が成長していきます。その際、好奇心による知識や経験の増大が、脳に成長の促進をもたらしています。子どもが成長するにつれて好奇心を失っていってしまうことがありますが、それは「あれはダメ、これもダメ」と言って子どもの好奇心を限定してしまう大人のほうに原因があるかもしれません。

 

 人は、適度な刺激がない状態が長く続く時もストレスを感じます。
 「退屈で死にそう」ということが、実は本当にあるそうです。1980年代にイギリスで調査された結果、当時「非常に退屈である」と感じていた人のほうが、37%も死亡率が高いことが明らかにされました。理由としては、喫煙や飲酒などの不健康な習慣を身に付けやすいことです。同時に、「退屈さ」と心臓疾患が関連しているという十分な証拠も見つかったとのことです。

 

イラスト

対人関係において相手に対する好奇心を持つことは、人間関係をより豊かにします。また、仕事に対して好奇心を持つことは、やりがいと達成感につながります。そして、趣味を持ち、余暇を楽しむことは、人生を豊かにしてくれます。


 ぜひ好奇心を持ち続けて、「心」と「頭」にもたっぷりと栄養を与えてあげてください。