パワハラとメンタルヘルス

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 以前にこちらのコラムで、職場のパワーハラスメントについてお伝えしました。その後、パワハラや職場の人間関係についての相談は増え続けています。

 

 去年12月に、厚生労働省は「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表いたしました。企業調査は計4,580社から、従業員調査は計9,000名からという大規模なもので、職場のパワーハラスメントに関して、国としての初の調査となっています。

 

 その中から、特徴的なものを拾い上げてみますと、パワーハラスメントに関連する職場に共通するものとして、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が51.1%と最も多く、「正社員や正社員以外など様々な立場の従業員が一緒に働いている職場」が21.9%、「残業が多い/休みが取り難い」が19.9%、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」が19.8%と続いています。
 また、従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどを受け付けるための相談窓口を設置している企業は全体の73.4%であるのに対し、過去3年間にパワーハラスメントを受けた経験者のうち、社内の相談窓口に相談した者の割合は1.8%と大変低いものでした。
 相談内容では、「メンタルヘルス」が32.7%と一番多く、「パワーハラスメント」が22.0%、「セクシャルハラスメント」が14.3%と続いています。

 

 職場におけるパワーハラスメントとメンタルヘルスの問題は、相互に影響を及ぼしあっています。ストレスの多い職場ではパワハラが生じやすく、その結果メンタルヘルス不調を訴える従業員も多くなります。現に企業調査、従業員調査ともに「パワーハラスメントの内容」については「精神的な攻撃」が際立って多くなっています。(企業調査では69.6%、従業員調査では55.6%)ですので、もはや職場のパワーハラスメントの予防と解決のための取り組みと、メンタルヘルス対策を切り離して考えることはできない状況になってきていることが今回の調査から覗えます。