理想の上司

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 毎年、広告代理店や大学などで理想の上司のランキングが出ています。上位にランキングされる方は、その時の時代の顔といった面もありますが、その選択理由もまた時代を反映しています。

 

 学校法人・産業能率大学が新入社員を対象に行った調査で、理想の上司として名前を挙げた理由のもっとも多かったものは「態度や姿勢が手本になりそう」でした。ちなみに、昨年度は「やる気を引き出してくれそう」がもっとも多く、一昨年度は「適切なアドバイスをしてくれそう」でした。これらから、「ゆとり世代」とも呼ばれている新入社員が、何を上司に期待しているのかがうかがえます。

 

 また、企業や各種団体・行政機関にて年間150回以上の研修や講演を行っている、濱田秀彦氏の著書『あなたが部下から求められているシリアスな50のこと』※1 の中から、部下が上司に望むことをあげてみますと、まず、人生の先輩として尊敬される「人間力」。次に、マネージャーとして仕切り、プロとして実行する「仕事力」。さらに、メンバーが働きやすい環境を整える「職場力」。そして最後に、部下をやる気にさせ、次へのステージへといざなう「育成力」。ここからは、いかに時代が変化しようとも、部下は常に上司に対して、強いリーダーシップと高いマネジメント能力を望んでいるということがわかります。

 

 スティーブン・コヴィー氏のベストセラー「7つの習慣」を再編集した「セルフ・スタディ・ブックVol.1」※2 の中では、「人間関係には『信頼関係』が必要ですが、その人間関係を支える信頼性は『人格』と『能力』から成り立っている」、と説明されています。同時に「どのような人格であり、どのような能力をもっているのかによって、信頼性が決まっていきます」とも書かれています。

 

 人格や能力に欠ける上司が、その立場や地位を使って一方的に自分の意見やエゴを通そうとするのがパワーハラスメントです。もはや、上司という権威や権限だけで部下が動く時代ではありません。いざという時に頼りにされる上司になるためには、普段からの言動が大切である、ということです。

 

 変化の激しいこの時代、組織において上司である管理職の役割がますます重要になってきています。部下を通して、あるいは部下の能力を発揮させて組織の目標を達成するために、自らの人格と能力を常に磨き続けることが求められているのです。

 

※1 『あなたが部下から求められているシリアスな50のこと』(濱田秀彦著・実務教育出版)
※2 『「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック基礎編 インサイド・アウトのパラダイム』 (フランコリー・コヴィー・ジャパン編・キングベアー出版)