やる気が出ない

 相談に来られる多くの方がこの言葉を口にします。やらなければならないけど気の進まない仕事が目の前にある時、できるかどうかわからずに自信がない時。このような時には誰でもやる気が出ないものです。
 うつ病やその他の精神疾患、または身体的な病気が原因の意欲減退であれば、医療機関を受診して治療する必要があります。しかし、病気ではないけれどもどうもやる気がない時、どのように考えて対処すべきかをお伝えしたいと思います。

 

 「やる気」は、それが実現可能かどうかという「期待」と、魅力的かどうかという「価値」の2つの要素を「掛け算」した結果、ということができます。例えば、いくら魅力的で価値のある仕事でも、それをできる自信がない、すなわち実現する可能性が低いとなれば、やる気は出ません。また、簡単に出来ることでも、それに対して何の価値も見出せないようでは、こちらもやる気は出てきません。
 さらに、実現の可能性は、「知識、能力、経験」という3つの要素から成り立っています。これら3つの要素が互いに補完しあうことで、実現の可能性が高まっていきます。

 

 ですから、やる気がでない時は、まずやるべきことにどのような価値を見出すか、自分の判断基準を明確にすること。次に、自分の持っている「知識、能力、経験」を基に、どの程度の実現可能性が期待できるかを把握することです。そして、足りないものがあればそれを補う方法を調べ、具体的に行動してみることが必要です。知識や能力が足りないのであれば、誰かに教わったりサポートしてもらい、経験が不足しているのであれば、いったんはハードルを低くして、徐々に自信を深めていく。そのような工夫をすることで最終的にやるべきことをクリアしていくことができるようになるのです。

 

 私たちは「やりたくないけれど、やるべきこと」がある時、面倒だなと思うことがしばしばあります。この場合「やるべきこと」は、自発的な欲求や自らの意志によるものではなく、置かれている立場や周囲の状況から要求されているものなので、面倒だと思うのは当然なことです。

 

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ポイントは、やるべきことに対して納得をすることです。人はともすると、易きに流されがちです。やる気がでない状態で何もしないままでいると、状況は刻々と悪化していきます。そして状況の悪化が、さらにやる気をなくさせるという負のスパイラルに陥ってしまいます。たとえ今の状況に満足できていなくても、納得がいっていれば次の一歩が踏み出せます。とにかく納得してやってみること、これが一番の解決方法です。そして納得できない時は、納得できるまでとことん相手とやり取りをしましょう。