人間関係で悩まないために

 家庭や職場、また友人や異性など、私たちの周りには様々な人間関係があります。私たちは、人間関係の中で生きる元気や勇気をもらう一方、人間関係で、イライラしたり落ち込んだりします。日々カウンセリングや電話相談、WEBでの相談を受けていて感じることは、多くの皆さんから寄せられる悩みのほとんどが、人間関係から生じている、ということです。
 「夫が話を聞いてくれない」「上司がわかってくれない」「自分が友人からどう思われているか気になってしょうがない」
 どれだけITによる通信技術が進歩しても、これらの悩みは解決できません。逆に、メールやブログ、twitterに、mixiやFacebookといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が広がれば広がるほど、そこでの新たな悩みや問題が生じてきています。

 

 ある心療内科の待合室に、「ひとりになりたい、ひとりはさびしい」と書かれた額縁がありました。これが誰の言葉で、どなたが書いたのかはわかりませんでしたが、これを見た時に、まさに人間の真理を言い表している、と感じました。
地球上の動物の中で、早く走ることも空を飛ぶこともできず、力もなく暑さや寒さにも弱い。そんな存在であった人間が生き延びることができたのは、外敵から身を守るために集団で生活し、言葉による意思の疎通をすることで環境を変えていくことが可能だったからです。元来、人間はひとりでは生きていけない動物なのです。

 

 生きていくためのあらゆることが分業化され、効率化された現在、人間はひとりでも生きていくことが可能となりました。人とのコミュニケーションについても、直接会うより電話やインターネット回線を介した割合が多くなりつつあります。さらに全てのことが自己中心的に、しかも瞬時に行うことができるようになってきたのです。

 

イラスト

ところが、そこで一番自分の思い通りにいかないのが、同じ「人間」という相手です。相手が自然であれば、まあしょうがないな、と割り切ることもできます。ところが相手が「人間」になると、「なんとか自分の思い通りにコントロールしたい」という考えが生じてきます。この「自分の思い通りにいかない相手」に対して、「何とかしたい」「何とかならないだろうか」という思いが最も強くなった時に、人間関係での悩みやイライラが起きてきます。
 「所詮、人は自分の思い通りにはならないもの」とある程度割り切ることが人間関係で悩まない秘訣です。そして、人をコントロールしようとするより、まず自分自身が変わることのほうが、イライラを解消する近道なのです。