「自己肯定感」と「新型うつ」

 うつ症状でお困りの方が相談に来られた時、「今の自分に100点満点で点数をつけるとしたら、あなたは何点くらいをつけますか」とお聞きすることがあります。
 たいていの方は10点以下とお答えになります。「0点」もしくは「今の自分にはとても点数なんかつけられない」とお答えになる方も少なくありません。どなたも、これ以上は頑張れないくらい、自分を追い込んでいるにもかかわらず、ご自身に対しては大変厳しい評価をしていらっしゃいます。
 同時に、休職期間中であるにもかかわらず、「職場の仲間や家族に迷惑をかけている」とご自身のことを責め、ゆっくり休むことができずにいる方も大変多くいらっしゃいます。
 これらの方に共通しているのは、「自己肯定感」が持てない、ということです。常に何かに追われているかのように、どこまで頑張っても自分に対して「OK」を出すことができません。「自分に自信が持てない」という言い方も当てはまります。

 

 一方、最近「新型うつ」と呼ばれる方々に先ほどの質問を投げかけてみると、かなり高い点数が返ってきます。同じ「うつ症状」でも、「自己肯定感」が持てないどころか、むしろ「自己愛」が強過ぎるのではないかという印象を受けます。
 自分は悪くない。むしろ、周りが原因で「うつ」になっている、という他責の念が強いのも「新型うつ」の方々にみられる特徴です。
 ここ数年、人事や管理職の方から、「新型うつ」と思われる方への対処法をたずねられることが多くなってきました。従来の「うつ病」の方と「新型うつ」と呼ばれる方とでは、対応が全く異なってきます。これまで「うつ」の方に対しては、励ましは禁忌、と言われてきました。しかし、「新型うつ」の方に対しては、ある程度の厳しさをもって接することが時には必要になります。

 

もし、うつ病で会社員休まれていらっしゃる方や、うつ症状でお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ最初の質問を投げかけてみてください。すべての方に当てはまるわけではありませんが、ひとつの目安になるとは思います。