創立50周年記念誌 幸せな未来をつくる対話の力
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30ダイヤル・サービスが電話相談で大事にしていることPart 24.グループで対応する 電話相談では、何よりも相談者を尊重します。主役は相談者で、相談員は傍らを走る伴走者です。相談者の話を聴くために、相談員は何を大事にしているのか、当社の電話相談のマインドとスキルをご紹介します。 相談者はさまざまな気持ちを抱えて電話をかけてきます。自身の抱えている不安、悲しさ、悔しさ、諦め、焦り、等々。同時に、電話をかけることに対する不安やためらいも持っています。どんな人が電話に出るのか、話を聞いてもらえるだろうか、そんなささいなことでと思われるのではないか…。そのような複雑な心情をまず受け止めて、相談者が話しやすい温かい雰囲気を作ります。 「相談者に寄り添って、じっくりと話を受け止める」のが傾聴です。傾聴のスキルは、受容と共感的理解です。相談者にできるだけ自由に話をしてもらい、ありのままを受け止めます。相談員自身の価値観は一旦横に置いて、「相談者はこう考えている」と相手の立場になって理解しようとします。それが共感的理解です。 今日、相談者がなぜ電話をかけてきたのか、「今、ここ」でどうしたいのか、それが主訴です。主訴がわかったところで、相談者に「今日は、~についてのご相談ですね」と確認します。 ただし、相談者が話していることそのままが本音と2.主訴をつかむ、本音をつかむは限りません。例えば「上司との関係がうまくいかない。上司に問題がある」という相談が入ったとしましょう。しかし、よく聴いてみると、「『仕事のやり方がわからない』と、うまく上司に言えない」ことが問題であり、「上司に認めてもらいたい」という願いを抱えていたりするのです。 本音は、相談者自身が気づいていないこともあるし、気づいていても誰にでも話せるわけではありません。相手に対する信頼があって、初めて話せるのです。 相談者には力があり、自分の中に答えを持っている、と当社は考えます。電話で出来ることには限界があります。次の一歩を踏み出すのは、電話の中で、ではなく、相談者がいる現実の世界で、だからです。ただ話を聴いて終わりではありません。 「嫌がらせをしてくる相手に挨拶してみる」「一番信頼できる人に話をしてみる」「嫌なことを紙に書き出してから破ってみる」「一駅手前の駅で降りて歩いてみる」等々、相談者が自ら選べる一歩を、一緒に考えます。すぐにできる小さなことでいいのです。スモールステップの積み重ねが自立につながります。 電話で相談者と向き合うのは一人の相談員ですが、困難な相談で対応に困ったときや必要な情報が足りないときなどは、グループで対応します。他の相談員が1.相談者の心と気持ちに寄り添う ~傾聴(受容と共感的理解)~3.ともに考え、自立を援助する ~現実の世界で一歩踏み出す提案~

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