創立50周年記念誌 幸せな未来をつくる対話の力
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18メールで続く、子どもとの対話 将来を担う子どものために「子ども110番」開始。そしてSNSへPart 11979年 1979年5月、国際児童年の年に、トヨタ自動車販売株式会社(現トヨタ自動車株式会社)がスポンサーとなり、「子ども110番」の電話相談を開始。その記事が新聞に載ると、これまで電話機を扱うのは大人の領域と思っていた子どもたちは、初めは丁寧語を並べ、神妙な声で科学の質問をし始めました。それが数週間も経たないうちに、どんな秘密も自由に話せる場と感じたのか、中高生たちも加わって、校内暴力による校舎破壊の様子、性の相談、不登校、両親の離婚の不安など、「相談」が津波のように押し寄せてきたのです。想定外の内容に、当時の相談員たちは惑いながらも、真剣に子どもたちに向き合いました。 以来、顔も名前も明かさずに、家庭でも、学校でも言えない子どもの本音を聞き続けています。小学生から高校生を対象としていますが、保護者からの相談にも対応しています。 現在、「子ども110番」は当社のCSR活動の一環としてメールでの相談を実施しています。メールからは、大人社会への鋭い批判や、将来への生きる望み、不安が痛いほど伝わってきます。そして「どこかで誰かとつながっていたい」と希求する言葉も届いています。そんな子どもたちの言葉を受け止め、子どもたち一人ひとりが生き生きとした日々を送れるよう、文字での対話をこれからも続けていきます。 現在の子どもの電話相談窓口は、文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」と厚生労働省「児童相談所全国共通ダイヤル」189(イチハヤク)など、自治体からの業務委託が中心です。「24時間子供SOSダイヤル」には学校教育、いじめ、不登校の相談が、「児童相談所全国共通ダイヤル」には、虐待通報や子育て相談が多い、という特徴があります。いずれも子どもを取り巻く状況はひとつを解決すればうまくいくというものではなく、いじめ、不登校、精神疾患、親の離婚、虐待など複合的な問題が多いのです。  2017年度のいじめの認知件数は414,378件、不登校144,031人(※1)と、年々増加しています。また、10歳代の電話利用時間は5分弱、ソーシャルメディアの利用は60分弱(※2)と、子どものコミュニケーションツールはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が主流になりました。 そういった現状を踏まえ、2017年夏、文部科学省「SNSを活用したいじめ等に関する相談体制の構築に係るワーキンググループ」が発足し、当社はそのメンバーとして「夏休み明けに向けた官民連携によるいじめ防止強化キャンペーン」に参加。自治体に先駆けてSNSによる子ども専用相談窓口を短期間実施しました。その実績により、翌2018年から多数の自治体からSNSを活用した相談窓口を受託することになり、今も急速に広がっています。 子どもにとっては顔も声も分からないから利用しやすいのでしょう。しかも声を出さないので周囲に気付かれずに対話できます。恋愛、人間関係、LGBTなど、様々な相談が入ってきます。 これからも、子どもたちが利用しやすいメディアを使って相談事業を展開していきます。子どもを取り巻く複合的な問題子どもは新しいツールへ※1 文部科学省「平成29 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒 指導上の諸課題に関する調査結果について」※2 総務省「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に 関する調査報告書」

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