「ホットライン通信」200号記念誌
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メンタルヘルスのためのセルフケア最近ショッキングなニュースが続いています。テレビをつけると、某国の街ががれきの山となった画像や動画があふれ、悲しい事件の被害者や犯人の顔写真、動画が何度も表れます。皆さん、心がつらくなっていないですか? なんとなく、悲しい、不安、ソワソワ、焦る…。自分を責めたり、これからの人生、きっとダメなことばかりだ…と将来を悲観したり、等々。もしかしたら、心がSOSを出している状態かもしれません。なぜ、このようなニュースに触れすぎると、心がつらくなるのでしょうか。原因の一つに、「共感疲労」があります。「共感疲労」とは、相手の苦しい気持ちに共感し、自分と重ねすぎることにより、自分自身の心が疲れてしまう状態のことです。共感する力は、普段の社会生活において必要なものです。ただ、気を付けるべきは、対象と自分の 「距離」です。相手のことを想像する際、自分と重ねすぎてしまうと、実際に自分が体験した場合と同じ気持ちが生じます。相手と同様のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が出ることもあります(「二次受傷」)。「共感疲労」を防ぐにはどうしたらよいか。まず、自分と相手は異なる存在だということをしっかり再認識します。これは心理的な距離をとることにつながります。そして、ニュースから離れ、物理的な距離をとることです。もう一つの原因は 「主体性のなさ」です。スマートフォンやパソコンの普及により、いつでも世界中のニュースに触れることができます。「触れる」というより、「目に飛び込んでくる」という表現が適しているかもしれません。そこに 「自分の意思」というものはありません。画像や動画の方から勝手に自分の中に入り込んでくる感覚です。実は、この 「対象が勝手に自分の中に入ってくる感覚」は、統合失調症患者の多くが体験している病的な感覚に似ています。つまり、程度の差こそあれ、知らない間に統合失調症患者と同じような感覚にさらされているということです。病気の症状と似た体験が続けば、心が疲れてしまうのも当然です。まずは、普段の生活を振り返ってみましょう。仕事中、パソコンでニュース画面を開きっぱなしにしていませんか? 朝や帰宅後、なんとなくニュース番組をつけっぱなしにしていませんか? 暇さえあれは、スマホでSNSをチェックしていませんか? 子どもは特に注意が必要です。子どもは自分を守る心の機能が弱いため、知らない間に、大人よりもダメージを受けてしまいます。ニュースとの付き合い方、今一度、見直してみることをお勧めします。つらいニュースばかりの世の中ですが、上手にバリアを張って、心を守っていきましょう。2022年8月25日配信第167号33悲しいニュースばかりで気分がどんよりしたら…

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