「ホットライン通信」200号記念誌
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ハラスメントにかかわる問題ダイヤル・サービスのハラスメント相談窓口に、「何もしてないのにハラスメントだと言われた」という相談が入ることがあります。皆さんはどう思われるでしょうか。何もしていないのにハラスメントだと言われるなんてありえない、そう思われた方もいるのではないでしょうか。ですが、そのようなケースは少なくありません。周囲が新しい時代の流れに合わせて変化している間に、何も学ばず、自分を変える努力をせずその場にとどまっていることは、ハラスメントに関する取り組みが改善されている時代にあっては、「行為者」となりうるリスクがあるのです。鏡の国のアリスに登場する赤の女王の言葉に有名な一説があります。「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」まさに今の時代を反映している言葉だと感じます。その場にとどまるだけでも全力で努力しなければならない時代に、何もしないのは後退するということです。ハラスメントの問題に焦点を当てると、「何もしない」ということは次のようなことです。「挨拶しない」「部下に仕事を教えない」「周囲とコミュニケーションを取ろうとしない」など。何もしないことで、周囲との間に壁を築いてしまっているのです。例えば、若いころから仕事に対しては真面目だが、人と接することが苦手で職人かたぎ。そのような方がそのままの態度で若い世代に接すると、「上の立場の人から冷たくあしらわれた」と感じさせてしまいます。または、ニュースによく目を通し、ハラスメントについて学ぶことで、「何か言うとハラスメントだと言われてしまうかもしれない。それなら何も言わない方が良い」という消極的なハラスメント対策を取っている方もいます。自分を変える、成長させる決断は、時として痛みを伴います。なぜなら、今までの自分の価値観を疑い、場合によってはそれを覆さなければならないからです。ですが、学ぶこと、改善することは、一番の有効なハラスメント対策です。間もなく年度の変わり目を迎えます。配属や役職、環境が変わる方も多いことでしょう。ぜひとも、ハラスメントが何かを学び、コミュニケーションを取るためのスキルを身に付けて、「何もしていないのにハラスメントだと言われた」という状況にならないよう、積極的な対策を講じていきましょう。2023年3月24日配信第127号27「何もしない」というハラスメント

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