「ホットライン通信」200号記念誌
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内部通報の意義※LGBTに対して、不利益や差別的言動、取扱いをしないような制度をつくり、意識改革や風土醸成のための啓もう活動を行う取組現在、人材確保の観点からダイバーシティに取り組む企業が増えてきています。背景には、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応といったねらいがあります。政府が掲げる「働き方改革」でもダイバーシティ・マネジメントが推進されています。多様性の一つに「LGBT(性的少数者)」が掲げられています。法的に同性婚が認められる国が増え、日本でもパートナーシップ制度を導入した自治体が増えるなど、関心が高まっています。LGBTの総人口に占める割合は様々な調査結果により3 ~ 10%とも言われ、相当数存在しているとされています。大企業だけではなく、中小企業にとっても身近なことであると認識しなければなりません。企 業 がLGBTフレンドリー※を打ち出すことで、LGBT当事者である優秀な人材や、当事者の周囲にいる人材(パートナーや友人など)を獲得できます。また、多様性を尊重する社内風 土が 醸 成され、個々人の能力を発揮できる環境が整備されることで、生産性が向上することも期待されます。企業ブランド価値の向上や、ビジネス拡大にもつながります。一方で、LGBTに関する労務管理の構築がされていない、そもそもLGBTが理解されていないなど、雇用者に差別的取扱いを禁止する制度のある企業はまだ少ないのが現状です。ダイヤル・サービスの企業倫理ホットラインには、少しずつではありますがLGBT当事者からの通報が入っています。同様に、企業内でもLGBT当事者が職場での差別的な扱いについて声を上げることが以前よりも増えてきているようです。その一 例ですが、信 頼していた同 僚に自分がLGBTであることを話したところ、職場でアウティング(本人の了解なくLGBTであることを言い広める)され、職場にいづらくなった」という、訴えの記事を読んだことがあります。この訴えには2つの問題があります。1つは、LGBT当事者が同僚を信頼して自分のことを話したのに、本人の了解なしに口外したこと。LGBTへの理解が進んでいない組織内でのアウティングは人権侵害に当たります。結果、LGBT当事者が働きづらい職場になってしまいました。もう1つは、職場の風土の問題です。LGBTの方々に対して、どんなことが差別にあたるのかを企業が理解し、社員に対して周知や教育を行っていれば、アウティングがあったとしても、当事者のダメージは浅かったはずです。何が差別にあたるのか、どう接したらよいのかがわからないので、LGBTに関する教育を会社で受けたいという人も多いようです。ダイバーシティ・マネジメントを目指す企業は、LGBTやそれらを含む多様性について、当事者が差別だと感じていること、困っていることを「聴く」ことによって理解し、もっと人材を活用すべきではないでしょうか。2019年4月25日配信第127号23ダイバーシティにおける職場のLGBT問題

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