電話による通報・相談窓口の役割2020年2月、社会で注目を集めていたダイヤモンド・プリンセス号の乗客やクルーを対象としたSNSと電話による看護師相談窓口をダイヤル・サービスが始めました。それから1年余り、新型コロナウイルスとの関わりは様々に変化しながら続いています。そもそも、当時すでに当社が担っていた厚労省「感染症・予防接種相談窓口」には、2020年1月頃から新型コロナウイルスに関する相談が入り始めていました。「感染者の詳細をなぜ公表しないのか」「なぜ早く入国阻止をしないのか」など、政府の対応に怒りをあらわにする方も少なくありません。誰かがすぐに対応できるような内容ではなく、貴重なご意見として承ることしかできませんでした。3月には、自治体の新型コロナウイルス感染症相談窓口のサービスが始まります。多い時期には1日400件を超える入電がありました。毎日のように同じ症状について相談したり、これからの不安を訴えたりなど、同じ方の頻回相談もあり、なぜ毎日電話をしてくるのか最初はわかりませんでした。しかし、先の見通しがつかない状況の中で、「誰かとつながりたい」と思う不安の表れだったのではないか、と相談者の心情について相談員同士で話すこともありました。新型コロナウイルスに立ち向かうために、相談現場も大きく変わりました。在宅ワークの導入や、万が一社内で感染者が出てもサービスを止めないためのサテライトオフィスの新設。複数の場所で多数の相談員が同時に受電・対応しているため、情報の連携が重要になります。どこで誰が受電しても、最新の情報を元にした適切な対応が求められるため、常に緊張感を持っています。窓口は24時間対応ですが、特に朝方は電話が急増します。朝起きたら熱が出ていた、夜間に発熱したが一晩様子を見ても改善しなかったなどで、受診を検討する方からの電話が入ります。かかりつけ医へ受診を促し、かかりつけ医がない方へは医療機関の情報を提供します。そのため、朝7時出勤の相談員が増員されました。深夜帯の勤務をしていると、朝、続々と相談員が増えてきて、ほっとするとともに、多くの仲間で現場を支えていることを実感します。看護師・保健師として、病院や保健所などの現場で何かできることはないのか、と考えた時期もありました。医療現場という最前線での業務と比べると、私たちの電話相談は直接患者と向き合う仕事ではありません。しかし、発熱などの症状が出て困った人が、いつでも相談できる大事な窓口であり、「テレビ」の向こう側にあった新型コロナウイルスに対して「私も一緒に戦っている」と感じています。今後も、電話の向こうの相談者に向き合っていこうと思っています。2021年4月23日配信第151号11新型コロナウイルスに電話健康相談で向き合った1年間
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