「ホットライン通信」200号記念誌
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電話による通報・相談窓口の役割※この事例は特定の相談ではなく、さまざまな事例を再構成しています。ダイヤル・サービスのハラスメント相談窓口には、こんな電話が入ることがあります。会社の先輩が、終電がなくなる深夜まで仕事をして仕方なく社用車で帰宅。その途中で人身事故を起こしてしまった。それがニュースになってしまい、社名は報道されなかったが、事故現場の写真に社名入りの車が写っていた。モザイクがかけてあっても、知っている人が見ればわかってしまう。業務外で社用車に乗った先輩にも問題はあるが、終電で帰れない時間まで仕事をさせた会社にも責任があると思う。また、被害者の葬式に会社から供花や香典を出すと決定したのに、保身からか「社名が出るのはよくない」と変更した。あまりにも被害者や遺族に対して失礼ではないか。会社として遺族に対し誠心誠意、謝罪すべきではないのか。確かに社名を出すのは問題もあるかもしれない。だが、被害者遺族に真摯に向き合うことは、会社として加害者となってしまった社員や会社を守る手段ではないのか。会社に対して不信感を抱いている。上記事例のように、事後の会社の対応に対して不信感や不安を口にする相談があります。この他にも痴漢や窃盗、暴行など、従業員が起こす、もしくは巻き込まれる可能性がある事件や事故は少なくありません。相談員はこうした相談について「会社がきちんと従業員をフォローした方が良いのではないか」と、できるだけ会社への実名報告を勧めます。ですが、上記事例のように会社が何らかの方針を出してしまうと「従業員として会社の方針には口出しできない」と、ニュースが流れたことへの不安だけを口にして相談を終えられることもあります。従業員がかかわった事件や事故により社名がニュースで流れたとき、もしくはネット上で騒がれているときに会社はどう対応すればよいのでしょうか。会社の責任を問われることや法律的に問題はないことも多いでしょう。しかしながら社名が報道されてしまうと、会社としてはリスクが生じます。小さなことから風評被害が起こったり、社会的信用を失ったりする恐れがあるのです。会社に責任や法的問題がないとしても、会社としてどう対応するのかはとても難しい問題です。インターネットの発達により情報が世界中に拡散する現在、ニュース報道だけがリスクの対象ではありません。そのようなとき、会社として社会にメッセージを発信する姿勢が求められています。どのようにメッセージを発信するのか、その内容にブレや矛盾はないか考えておく必要があります。また、会社として伝えるべきメッセージがあれば、それらを自社の従業員に伝える努力をすることも、従業員からの信頼を得るために必要なことです。不安を抱いている従業員へ、メッセージの全てが全員には届かないことがあるかもしれません。社内通知の方法、フォロー体制、外部相談窓口を利用したケアなど、一度確認してみてはいかがでしょうか。2017年10月25日配信第109号200thAnniversaryMagazine10従業員の事件や事故で社名が報道されたら…

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