「ホットライン通信」200号記念誌
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電話による通報・相談窓口の役割内部通報のための窓口というと、違反や不正行為の通報を受けることが主な目的ですが、ダイヤル・サービスの企業倫理ホットラインでは、幅広く通報や相談を受け付けているため、職場で起きているハラスメントや人事労務、人間関係など、さまざまな通報や相談が入ります。最近の傾向としては、ハラスメントを訴える通報や相談も増えています。ハラスメントを受けた理不尽な思いをぶつけてくる人、ハラスメントによってメンタルの問題を抱えたが生活があるので辞められないという人、例をあげればきりがありません。企業倫理ホットラインでは、電話相談員が電話を通じて通報者の気持ちをお聴きしています。ハラスメントを受けたことによるつらい心情を訴える通報者は、電話の向こうの温かいぬくもりが感じられるような「生身の誰か」に話を聴いてもらい、自分の気持ちを認めてもらう場を求めているのかもしれません。通報者はハラスメントがさらにひどくなることを恐れて匿名を希望し、会社には詳しい内容を報告したくないと希望することもあります。そういった場合でも「話を聴いてもらえたので少し落ち着きました」とか「気持ちがすっきりしたのでもう少し頑張ってみようと思います」という言葉をいただくと、私たちも救われた気持になります。そんなとき、私たち電話相談員は、違反や不正行為の通報を正確に受け取って企業に報告する役目とともに、人の心のケアをしていく役目も持っているのだと感じます。英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の論文「雇用の未来」では、電話オペレーターは、AI(人工知能)により10 年で無くなる職業のひとつにあげられています。近い将来、AIがオペレーターをすることになるのかもしれません。その一方で、2030 年までに無くならない仕事として、レクリエーションセラピストや歯科医、心理学者、メンタルヘルスカウンセラーなどがあげられています。AIが発達しても人の身体や心のケアは人にしかできないだろうと予想されているようです。企業倫理ホットラインへの通報や相談の 7 割強は電話で入ります(2017 年当時)。私たちは「生身の人間」でしかできない対応を、これからも目指していきたいと思います。2017年7月25日配信第106号9人が受ける電話の通報窓口が重要なわけ

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