第18回CSRセミナー「ハラスメント防止への具体的取り組み」

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第18回 ダイヤル・サービス CSRオープンセミナー
「職場のパワハラはなぜ起こる?どう防ぐ?」
~増え続けるパワハラへの具体的対応~

「ハラスメント防止への具体的取り組み」

アデコ株式会社お客様相談センター 副センター長 飯田悦子氏 講師略歴
アデコ株式会社お客様相談センター 副センター長 飯田悦子氏

アデコグループの基本的価値観について

   アデコグループはbetter work, better lifeをモットーとして、世界60カ国に約70万人を派遣している人材サービス企業です。国内では190拠点を持ち、約43000名のスタッフの方が現在就業されています。 アデコグループの基本的価値観は「相互協力」「顧客志向」「責任」「起業家精神」であり、この基本的価値観に基づいてスタッフと企業の橋渡し役を努めることが使命と考えております。

派遣スタッフの置かれている特殊な状況とサポートダイヤル

   アデコは事務系を主体とし、登録スタッフの8~9割は女性が占めています。就労される派遣スタッフの雇用主は派遣元、指揮命令は派遣先という就労形態であるため、セクハラやパワハラなどの被害を受けても、雇用契約を続けるために、ぎりぎりまで我慢をしたり、自分の気持ちを素直に言えないことがあります。
   ここで派遣スタッフのメリット・デメリットを考えて見ます。派遣のメリットは、大企業で働けること、希望の職種を選べること、会社の束縛が少ないことなどが上げられますが、デメリットは、ボーナス・昇給がないこと、雇用契約の終了という先が見えない不安などが考えられます。更に、初日から即戦力を期待されるというプレッシャーが加わることになります。
   就労中の派遣スタッフへ営業担当者から仕事はうまくいっているか、人間関係にトラブルはないかなど定期的にコミュニケーションを取るよう指導をしておりますが、営業担当者にも話しづらいこともありますので、スタッフが安心して悩みを打ち明けたり、相談できるチャンネルの必要性を強く感じ、ダイヤル・サービス社へお願いをしてサポートダイヤルを開設しました。

セクハラとパワハラの相談事例

相談窓口に寄せられるセクハラ、パワハラの事例をいくつかご紹介します。
○セクハラ事例1 個人的な飲食や交際の誘い
   上司から頻繁に食事の誘いの電話やメールが入り、断りきれずに応じると、隣の席に座って手を握られたり、帰り道に突然抱きつかれてしまったという事例。
   この上司と部下の信頼関係は悪くなかったはずですが、飲んでつい手を出したことにより、そこで二人の関係が全部壊れてしまいます。派遣スタッフとしては、上司とプライベートな関係にはなりたくないと思っているわけで、翌日は出社しましたが、恐怖心が先に立ち、仕事が続けられなくなりました。女性と男性の性的な言動についての感じ方には、大きなギャップがあると常々感じています。

○セクハラ事例2 不必要な身体への接触
   同じ部署の男性社員にわからないことを質問すると、必要以上に顔を近づけて来たり、マウスを持つ手にさりげなく触れて来たりして非常に困る。その場は我慢したが、どんなふうに断ってよいかわからず、気持ち悪さは残り、それ以降人間関係がぎくしゃくしてしまったという事例。
   性的な感受性は個人差や男女差があります。男性は特に意識もなく触れているかもしれませんが、女性としては不快な行為と感じられる場合もあります。

○パワハラ事例1 上司の暴言 威圧的指導
   業務上の指導や注意が全てパワハラではありませんが、指導をしているつもりで、繰り返し人前で叱責をしたり、「お前はだめだ」みたいに人格を否定する暴言、過剰なノルマなどはやはり問題です。

○パワハラ事例2 業務指示がなく無視される
   上司の様子を見ながら声をかけたり、メールで指示を仰いだが、いつもそっけなく、メールにもほとんど返信がなく、周囲の社員も忙しそうで、どう声をかけていいかわからない。長期間にわたって業務指示がないと、無視されていると受けとってしまいます。「あとで話し合いましょう」などとひと言かけてくださればよいのですが、このスタッフは精神的ストレスから体調を崩してしまいました。
   必ずしも派遣先の指揮命令者に問題があるわけではありません。何度説明しても同じ間違いを繰り返すなど、派遣スタッフ側に問題がある場合は、なるべく早く営業担当者にご連絡をいただきたいとお願いしています。

外部相談窓口設置が生んだ解決効果

   最近はメンタル面の不調を訴える方が多いため、産業医や保健師と連携をして、人間関係やメンタルヘルスについて、幅広く相談を受けられるように社内、社外に相談窓口を設ける体制を整えています。特に1996年からは、ダイヤル・サービス社に委託して派遣スタッフ向けの社外相談窓口として「サポートダイヤル」を開設しました。
   信頼できる第三者への相談は雇用契約に影響しませんし、プライバシーが守られます。何よりも、傾聴技術の高いカウンセラーに話すことは、問題点の整理を助けることになり、会社にしてもらうこと、自分が我慢しなくてはいけないことがはっきりし、解決策を導くことができ、相談者の6~7割は、自己解決ができているようです。
   自己解決が難しく、会社が対応すべきパワハラ、セクハラなどは、お客様相談センターが二次対応をするという二段構えの体制で対応しております。

アデコのサポート方法

   セクハラの相談を受けた時は、お客様相談センターの担当者が相談者に会って具体的な状況を確認しながら、相談者のダメージの様子を把握し、会社ができるサポートの内容を理解していただきます。
   派遣先で発生した場合は、派遣先に事実確認をお願いすると同時に、スタッフのプライバシーの保護や、就業環境の改善などについてご協力を要請します。最近はハラスメントの問題に積極的に取り組まれる企業が多く、事実関係がはっきりすれば、社内処分や再発防止策など迅速で的確な対応をしてくださるように感じております。

目指すのは当事者間の和解

   セクハラの被害者は一般的にメンタルのダメージが大きく、それが原因で働けなくなることもありますし、PTSD(心的外傷後ストレス障害)によるフラッシュバックに悩まされる人もいます。職場復帰ができなくなれば経済的にひっ迫するでしょうし、メンタル面の不調から治療が必要になることもあります。
   最近は、テレビ番組などの影響から弁護士を身近に感じたり、インターネット検索でセクハラの慰謝料の額を認識する時代ですから、補償問題も浮上してまいります。そのような場合は、当事者間できちんとした和解ができるよう、お客様相談センターが間に入って最善の努力をいたします。