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第14回 ダイヤル・サービス CSRオープンセミナー 「内部通報後の社内調査の方法」

「企業倫理ホットラインの役割」

講師略歴 ダイヤル・サービス株式会社 CSRコンサルティンググループ 高田奈穂子

通報窓口の使命

 ダイヤル・サービスは、育児、介護、健康等の電話相談事業を日本で初めて開発し、今年で創業40年となる会社です。大切にしているのは、双方向のヒューマンコミュニケーションです。企業倫理ホットラインに関しては2003年1月から民間で初めて開始し、今年で6年目となりました。

 従業員が改善の提案をしても上司や会社に受け入れられず、「あなたの問題ではない」といった対応をされてしまうと、何かおかしいと思っても報告しづらくなり、不正が常態化してしまうこともあると思います。何かきっかけがあると、内部告発でマスコミにある日突然知られていたということにもなりかねません。聞く耳と見る目はしっかり持っていかなければならないと思います。

 どんな企業にも問題はあると思います。私どもの企業倫理ホットラインは、通報者が通報したいといった内容は全て受け付けています。内部通報制度には、問題を早期発見し、改善するという大きな目的があります。どんな小さい問題でも受けることで問題を埋もれさせないことが企業倫理ホットラインの使命だと思っています。

 企業倫理ホットラインの強みは、経験豊富な電話カウンセラーが傾聴し、通報者が警戒感を解いて安心して通報できるということです。電話は双方向のコミュニケーションをとることができるので、分からないことは十分にお聞きし、あいまいにしないことで、多くの情報を引き出して企業にフィードバックしています。

 企業サイドから見れば、通報者の方のプライバシーを侵害することなく、社内に起こっていることを把握することができ、それにより職場をよりよくするきっかけが作れるということです。

企業倫理ホットラインへの評価

 企業倫理ホットラインが通報内容を報告する先は、通常は企業のご担当部署ですが、第三者委員会のメンバーの弁護士に報告するケースもあります。報告書を受け取る弁護士の評価を聞いてみました。

(1)電話カウンセラーのスキルが高く、通報者の話の引きだしがうまくできている。そのため仕事の調査が非常にしやすい。

(2)小さな問題から大きな事案まで、あらゆる事象に対して公平に中立的に受けてくれるところが非常によい。取るに足らないなと思う内容でも、その中にこそ真実があると思うのでその姿勢は非常によい。

(3)カウンセラーが傾聴することで本人の自己解決となり、新聞沙汰などになる前に防いでいることが実際にある。

通報窓口の信頼性

 企業にとって通報窓口は社内の不正等を早期発見して、改善するためのひとつの手段です。通報窓口によって不正が必ず明るみに出るのだという認識を、従業員一人ひとりが持つことで抑止効果も期待できますが、実際にはまだ十分に活用されていないのが現状ではないでしょうか。

 活用されていない一般的な理由としては、社員に認知されていない、対象者が限定されている、匿名通報を受け付けない、社外窓口がない、従業員の側に通報しても会社は解決に乗り出さないというあきらめがある、通報者保護への信頼性が低い、といったことがあげられます。信頼される制度により近づくように、常に改善案をお考えになっていただきたいと思います。そうすれば従業員もリスクをとって通報するのではないかと思います。

通報窓口体制の比較

 通報窓口体制の特徴を比較しました。
(1)社内窓口は社内情報を踏まえた柔軟な対応ができる。 課題は、匿名性、プライバシーの確保が困難なため従業員は通報しづらいこと。

(2)外部窓口を顧問弁護士とすると、法的な見解をふまえた対応が可能で職業上の守秘義務があり安心。 課題は、敷居の高さとそもそも顧問弁護士は会社と一体のため、従業員が相談しづらい。また、利益相反の可能性がある。常時弁護士が受け付けるわけではない、等。

(3)外部窓口を第三者弁護士とすると、利益相反の課題はなくなり、法的な見解をふまえた対応が可能で職業上の守秘義務があり安心。 課題は、サービス価格が高いことと、常時弁護士が受け付けるわけではないこと。

(4)民間の専門窓口(ダイヤル・サービス)を外部窓口とすると、弁護士窓口よりハードルが低くなる。公益通報にあたるような通報も含め機密情報を扱うため、専用個室、暗号化、関わるスタッフ全員の守秘義務誓約書提出など、セキュリティには十分配慮した運営を行う。就業時間外の対応。

上記のようないくつかの窓口をうまく組み合わせていただきたいと思います。会社が何を狙うのかによって、組み合わせ方は違ってきます。

外部窓口として顧問弁護士を先に設置し、制度を拡充するときに民間専門会社をというのが今の流れですが、考えをちょっと変えていただき、まずはハードルの低い窓口から導入いただいて、場合によっては顧問弁護士あるいは弁護士に、と順番を逆に考えていただく方法もあるのではないでしょうか。

企業倫理ホットラインの利用状況

 企業倫理ホットラインの利用(2008年1月~10月)データがまとまりましたので皆さまにお知らせします。

(1)通報内容別の割合は、不正(法令違反、就業規則違反、マニュアル違反等も含む)が22.1%。人事・労務に関することは19.1%。人事関連と重なるところがありますが、よりハラスメント色が強いものに関してはハラスメントの分類に入れており、17.1%。それ以外は人間関係、制度の問い合わせと続きます。

(2)通報者の内訳は、正社員の割合が多く、46.4%。契約、派遣、パートなど非正規社員の合計が19.0%。また退職者、取引先等からも数%ずつ入ります。不明は30.7%ですが、多くが匿名を希望された方です。

企業倫理ホットラインでは電話での通報が8割と多く、やはり不安や、相談したい気持ち、安心感を求めて電話を使われるのではないかと思います。

企業アンケート結果

企業倫理ホットラインを導入くださっているクライアント様110社へアンケートをさせていただいた結果を一部お知らせします。

(1)「企業倫理ホットラインの導入目的」は、従業員の利用のしやすさ28.2%、匿名性の確保23.7%、透明性確保19.1%がトップ3となりました。

(2)「導入した効果」は、「制度の認知度がアップできた」が20.6%で最も高くなっています。「通報件数が増加」、「就業時間後の対応ができる」はそれぞれ19%でした。

(3)「外部窓口設置後の通報件数の変化」という質問に対して、「社内窓口のほうが多い」が29%、「社外窓口のほうが多い」が47%、「社内と社外がほぼ同数」が12%、「社内にはなくて社外に統一している」といった回答が12%でした。社外窓口と、社内と社外がほぼ同数、社内に設置していない回答を合計すると、71%が導入したことで以前より通報件数が増加したという結果となっています。

通報制度に関する各企業様の意識調査の結果によれば、認知度、信頼性に対する評価の満足が宿題でもあるとうかがっています。私どもは、よりよい実効性のあるしくみを企業様とご一緒に考えさせていただきたいと思います。