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カウンセラーコラム

制度利用の理解と受け止め方

この1月に雇用機会均等法と育児・介護休業法(マタハラや育ハラの防止措置を講ずる法律) が改定されましたが、窓口に寄せられるマタハラ・育ハラの相談(注)を参考に、制度の利用について考えてみましょう。

 (1)「状態への嫌がらせ型」に相当するようなケース
 ・「体調が悪いなら仕事にならないからこなくていい」と言われた。
 ・「妊婦には負担が大きく現場に出すのはかわいそう」などの理由で、部署をたらい回しにされ、結果的に
 退職に追い込まれた。
 ・育児休暇明けに元の部署に戻れず、新人同様一から仕事を覚えなければならなくなり、続けられなくなった。

 (2)「制度等の利用への嫌がらせ型」に相当するようなケース
 ・上司が妊娠出産に関する会社の制度を知らず、説明しても理解してもらえない。
 ・制度を使わせてもらえず、早退や遅刻を一切認めてくれない。

 (3)妊娠や産休・育休の影響を他の人が受けるケース
 ・厚生労働省のマタハラの分類にはありませんが、周囲の人への配慮やサポートがなく、「逆マタハラ」と
 呼ばれることもあります。
 ・産休や育休で人が足りなくなり業務量が増えた。
 ・十分な引継ぎがないまま代わりの仕事をさせられた。

実は、配慮がなされないと相談者は感じているものの、会社や上司としては配慮したつもりだった、ということが少なくありません。お互いに相手の立場や状況を想像するだけではなく、コミュニケーションをとり、希望や要望を聞き、会社の現状や方針を伝え、擦り合わせることが大切です。

会社や社会が用意する制度は、ごく一部の人しか使わないものもありますが、会社がその1人をしっかりケアしているという姿勢は、他の従業員の安心感にもつながります。「この会社では何か困ったときにきちんと対応してもらえるのだ」とわかると、不安が軽減し、仕事のモチベーションもあがるでしょう。
また、制度を適切に利用する従業員が、罪悪感を抱いたり後ろめたさを感じたりしないよう、制度を利用する人だけでなく、制度を利用する人を支えている人にも不平感が生じないような運用が求められます。
このような制度は産休・育休関連だけではなく、介護や冠婚葬祭など多岐に渡り、誰もが利用する可能性があり、互助の精神で成り立っています。 「自分ばかり損する」とか「当然の権利だから気遣いは必要ない」ではなく、「お互いさま」、「お陰さま」と考えることで制度を利用しやすい雰囲気が醸成されていくのではないでしょうか。

(注:事例は実際に相談窓口でお受けしている相談を組み合わせたフィクションです)

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